「ラオス農村部における食用昆虫養殖農家の組織化を通じた生計向上支援事業」のスタート
このたび、2024年度アジア生協協力基金様から食用昆虫養殖世帯の収入向上に係る活動へご支援をいただくこととなりました。
ISAPHは、住民の低収入に関連した栄養課題解決のために、収入向上を目的とした食用昆虫養殖技術の普及を実施してきました。これまでに60世帯以上が養殖技術の習得に成功しています。しかし、住民の多くは育てた昆虫を家庭内で消費することに終始しており、収入へとつなげることが出来ていません。この理由には、養殖農家が生産した昆虫の質と量に関する課題が2つ挙げられます。
①質の課題:育てた昆虫が小さい。マーケットの求める品質(10g/匹)に至っていない。
②量の課題:量が少ない。養殖農家が生産する量がマーケットの求める供給量(3kg/週)に足りていない。
そこでISAPHは、これから3年間で昆虫食品生産者組合設立による品質改善と供給力強化の支援を実施していきます。2024年度は養殖農家が任意のグループを組み品質改善された昆虫を協力販売店へ一定期間試験販売を実施することで、養殖農家一人ひとりが組合の必要性と具体性を認識する期間とします。これにより、養殖農家は産品の現金化への成功体験を得、協同販売の必要性を意識することで、生産者組合の必要性を高めていきます。組合の設立は、養殖農家自身が求めて立ち上げるものでなければ持続発展性のある組織は望めません。そのため、2024年度はアジア生協協力基金様のご協力を得て、組合設立に向けた養殖農家の機運を醸成していきます。そして住民たちの生産した昆虫が市場に乗り、住民の所得向上と栄養改善に寄与することを目的とします。
本事業を契機にISAPHラオス事務所は技術普及から持続発展性のある組合設立化へ活動が移行し新しい挑戦が始まります。まずは1年間。ぜひ、ISAPHと住民がともに成長していく姿を楽しみに見守ってください。
ISAPHラオス事務所 石塚 貴章
産業商業局によるグループ販売の可能性
養殖農家へ課題と解決策の共有