マラウイでの活動

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マラウイ共和国

国旗

面積 118,000 ㎢(日本の約1/3)
人口 1,814万人(2018年:世銀)
首都 リロングウェ
民族 バンツー系
(主要民族はチェワ,トゥンブーカ,ンゴニ,ヤオ)
言語 チェワ語,英語(以上公用語),各民族語
宗教 人口の約75%がキリスト教
(その他イスラム教,伝統宗教)
産業 (農)たばこ, メイズ, 茶, 綿花, ナッツ,コーヒー
(工)繊維, 石鹸, 製靴 砂糖, ビール, マッチ, セメント
一人当たりGNI 380米ドル(2019年:世銀)
通貨 マラウイ・クワチャ(MWK)
日本との時差 7時間

出典:「外務省 マラウイ共和国

南北に細長いマラウイは大まかに北部、中部、南部に分かれており、合計27の県(district)があります。ISAPHが活動しているのはマラウイ北部にあるムジンバ県。

南緯11.9度と赤道にも近く、アフリカというと暑いイメージですが、ムジンバは標高1,400mに位置するため、暖房も冷房もなしに1年間過ごせる程度の気候です。ただし、4~11月は乾季でほとんど雨が降らず、12~3月は雨季でほとんど毎日夕立が降ります。

マラウイは公用語が英語で国語がチェワ語という言葉で、北部では更にトゥンブカ語という別の言語が使われています。そのため、多くの人が母語と小学校で教わる言葉の計3言語を話すことができます。

母と子の健康を向上するためのISAPHの取り組み

課題 活動地の日常と現場

ISAPHはこれまで、ムジンバ県の西端、ザンビア国境付近エディンゲニという地域で母子の栄養改善プロジェクトを行っていました(2013~2016年)。現在は、その隣のマニャムラという地域で2018年から同様に母と子の健康を守るプロジェクトを実施しています。

アフリカの暮らしは、県の中心地を除けば電気、上下水道、ガス、舗装路といったインフラがほとんど整備されていない農村での生活です。マニャムラも例外ではなく、井戸で水を汲んで自宅まで運び、料理は薪や炭で煮炊きします。送電がないので電気は高価なソーラーパネルを自前で購入しなければ使えませんし、水洗トイレはありません。未舗装の道を走る乗合いのワゴン車やトラックの荷台だけが交通機関です。

村で売られている食べ物の種類は非常に限られるので、村の人々のほとんどが自宅に畑を持ち、主食のトウモロコシや、トマトなどの野菜、家畜の牛やヤギを育てて暮らしています。

ISAPHの取り組み 活動のパートナー

私たちの活動は、現地の政府機関と連携して行うことが多く、現在のパートナーは「ムジンバ県南部病院」と、その管轄下である「マニャムラヘルスセンター」になります。 

ムジンバ県南部病院は、病院としての機能だけでなく、保健所としての健康増進事業(衛生指導や母子保健指導等)も担っており、私たちの活動で生まれる課題や成果を自分たちのこととして一緒に取り組むことができています。

マニャムラヘルスセンターは日本でいう町の診療所のような施設で、県病院より地域に密着した施設です。病院・産婦人科・保健センターのような役割を担っています。

課題 食料や知識がないことで悪化する栄養状態の改善

現在、マラウイでは、約4割の子どもが低栄養と言われています。特にその割合は農村部に多いと言われており、私たちが活動する地域でも同じことが起きています。そして、その根本的な原因は食べるものの乏しさです。とは言え、紛争地域の難民に見られる飢餓の様な状況ではなく、食べるもの自体はあります。ただ、その種類が極めて限られているのです。

ISAPHの取り組み

ISAPHは現在、2018年5月から3年半の予定で、5歳児未満の子どもとその保護者、それに妊婦を対象とした栄養改善プロジェクト (JICA草の根技術協力事業)を実施しています。マラウイ保健省は、村の中で近隣の家庭が集まりグループを作る“ケアグループモデル”というアプローチを推進しています。ISAPHの活動は、パートナーである県病院やヘルスセンターのスタッフと一緒にこのアプローチを支援する事です。

ケアグループを通じて栄養・保健指導を実施することに加えて、グループで運営するコミュニティ菜園 を指導し、不足している栄養素を補える作物を栽培する指導を行なっています。

例えば大豆や落花生などの豆類はタンパク質として子どもの発育にはとても大切です。ニンジンなど一部のビタミン豊富な野菜も、農村では手に入らないので導入しています。加えて、卵はほとんどの必要な栄養素を含む優れた食材ですが、卵の値段は村で生活する人には非常に高価な食材です。そこで、ISAPHは地域の農業普及局と協力してグループに鶏の飼育方法を指導し、各グループが飼育しています。

課題 住民が安定して医療サービスを受けるための施設整備

マラウイでは病院の数や、住民に対する医師の数も少なく、設備も整っていません。また、病院までの距離が遠く、交通機関が整っていない農村部では、多くの人が病院まで歩いて行きます。遠い人は片道3時間程度かかる場合もあります。体調の悪い時に、炎天下や雨季の大雨の中を往復6時間歩くのは、簡単な事ではありません。そのため、病気だけでなく、妊婦さんも同様、妊婦健診に行くのは一苦労です。妊婦健診で必要な教育が行われていても、インフラが整っていない為、健診に行かない人もいます。また、危険な自宅出産をする人もいます。

ISAPHの取り組み

このような課題を乗り越えるため、ISAPHはムジンバ県南部全域を対象として、地域の診療所に勤務する保健ワーカーのための「住居建設」を支援しています。地域の保健ワーカーはその地域に住む母子の診療に24時間対応する役割がありますが、実際には住居がないため各地域の担当者は診療所まで長い道のりを出勤する必要があり、そのため24時間対応はできず、緊急時に住民が訪れても医療が受けられない状況があります。ISAPHが支援した住居によって、住民からは「診療所にいつでも医療従事者がいるから安心」という声を聞くことができています。

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