ISAPHラオス事務所 三浦 夕季
聖マリア学院大学の看護学生の皆さんが、ラオスで8日間のスタディツアーに参加しました。都市部の病院から農村の保健センター、そして住民との交流まで。現地での体験を通して、多様な価値観や医療の在り方に触れ、看護を学ぶうえでの新たな視点を得る機会となりました。
首都ビエンチャンでは、JICAラオス事務所にて包括的支援の全体像について学び、さらにJICAプロジェクトオフィスでは「看護師・助産師継続教育制度整備事業」の取り組みや仕組みについて学びました。
ラオスでは、サービスの質を担保するため、看護師・助産師が5年ごとに免許を更新する制度が開始されており、制度への理解や医療者への認知度、遠隔地への周知や一貫した支援体制の必要性など、質疑応答を通じて医療従事者の職業意識の違いや運用の難しさ、またラオスの文脈を踏まえた支援の在り方について学びを深めました。
さらに、現地で活動する日本人専門家との質疑応答や青年海外協力隊スタッフとの交流を通じ、国際協力の現場で求められる視点や、文化的相違による介入の難しさや対応など、現場ならではの経験を聞くことができ、国際協力の道を志す学生にとって、極めて有意義な機会となりました。


JICAラオス事務所を訪問
医療施設の見学では、三次医療を担う中央病院、二次医療を担う県・郡病院、農村部住民にとって最も身近な一次医療を担う保健センターを訪問しました。
それぞれの施設機能やサービスの違い、母子保健サービス利用状況の差を通じて、都市部と農村部における住民の健康意識の違いを実際に確認することが出来ました。

ラオスの首都・ビエンチャンにある国立マホソット病院を見学
郡レベルでは、アウトリーチ活動に実際に参加し、MUAC計測や母子手帳の成長曲線への記録を体験しました。
また、ビレッジステイを通じて住民の生活に触れ、生活の困難さや現地の人々の心の豊かさ、日常生活における物事への価値観や意識の違いに触れることで、住民の健康意識や健康行動を阻害しうる背景についても、実体験を通して理解を深めました。
これらの経験は、学生にとって多様な視点を育み、国際協力への理解を深めるとともに、今後の看護職としての歩みの中で国際協力を考え、進むきっかけになったのではないかと思います。

村でのアウトリーチ活動に参加

村のお父さんにトラクターに乗せてもらいました

ラオス農村の田んぼを進みます
楽しく学ぶ!
訪問先での待ち時間には、フルーツを売りに来たお母さんに出会い、日常の暮らしぶりを垣間見ることが出来ました。
また、日程の合間には、体調を考慮しながら、観光名所であるパトゥーサイを訪れたり、買い物にも行きました。ラオスから日本へ送ったポストカードは、とても素敵な贈り物になったことでしょう。
村では機織りを行うご自宅にお邪魔し、実際に伝統工芸に触れました。丁寧な手仕事と美しい色合いに魅了され、皆でストールを購入しました(私も買いました笑)。ここでしか手に入らない貴重なお土産として、ラオスを思い出す特別なものとなったはずです。
ラオスでのスタディツアーを通した様々な出会いやめぐりあわせは、ラオスの文化や人々に触れ、学びをさらに充実させることにつながったのではないかと思います。

フルーツ売りのお母さん

観光名所・パトィーサイ(凱旋門)見学