東京医科大学 2025年度スタディツアー

ISAPHラオス事務所 三浦 夕季

 東京医科大学より、2名の教員と、6名の学生さんが、今年度もラオスを訪問されました。

 直前に台風に見舞われたものの、幸いにも全日程で晴れ!ラオスが皆様の訪問を歓迎しているようでした。

 スタディツアーは6日間の日程で実施され、首都ビエンチャンから、県、郡、村落に至るまで各所を訪問し、ラオスにおける医療システムや医療体制、母子保健について段階的に理解を深めていきました。

 JICA訪問では、幅広い事業にいて知ることで、ラオスにおける課題や政策の全体像を把握するとともに、活動による成果や持続性についても学びました。JICA駐在員と教員の方々の協力隊活動に関する意見交換では、学生の国際協力への関心を高める機会となったのではないかと思います。

 病院訪問では、中央病院から県・郡病院の見学を通じて、医療サービスや体制、ケアの違い、地域住民の健康意識の差について理解を深めました。

 国立マホソット病院では、新棟移行による設備や快適性の向上を確認する一方、患者数の増加や家族のケア参加制限に伴う病院管理の課題を学びました。

 看護師1人あたりの担当患者数の多さや、24時間勤務体制には、学生も大きな驚きを示していました。県病院では病棟ごとの建物配置や限られた人員体制といった課題がありつつも、家族が患者に常に寄り添う、ラオスならではのケア文化を学びました。

 遠隔地に近づくにつれ、医療サービスへのアクセスが制限される現状とその対応や連携を知るとともに、住民の健康意識の違いに応じた予防的介入や教育の重要性を、考える機会となりました。

JICAラオス事務所を訪問

病院内を見学

 保健学校訪問では、卒業を控えた3年生約70名と先生方約10名が歓迎してくれました。

 ラオスにおける看護教育制度やカリキュラムを学んだ後、東京医科大学の学生からも大学施設や授業風景、サークル活動の紹介が行われ、ラオス側の学生・教員は熱心に耳を傾けていました。

 学生同士の質疑応答・交流では、実習内容、就労先、ボランティアや奨学金制度などについて質問があがり、教育制度の違いを学びながらも「看護を志す者同士」として共通点やつながりを感じ合う様子が見られました。

 サイブートン郡訪問では、郡保健局が監督するアウトリーチ活動に参加し、MUAC測定や母子保健手帳の成長曲線への記載、健康教育を実際に体験しました。

 アウトリーチ後は、住民の過程を訪問し、衛生面からみた生活環境や、受診行動・母子保健サービス利用に至る背景など、対話を通して理解を深めました。

 今回のラオス訪問を通じて得られた経験は、学生生活や看護師としての歩みの中で、国際協力を考えるきっかけとなり、将来のキャリアに活かされることを願っています。

保健学校の皆さんと

村の子どもたちのMUAC(上腕周囲径計測)