平行して、対象村には井戸が極端に少なかったので、住民と会議を持ち井戸の 設置について話し合いました。その後、業者による井戸の掘削の工事が始まり、 およそ半年かけて12箇所の深井戸が完成しました。12箇所完成させるために11箇所 が掘り損じとなり、深井戸の掘削がいかに難しいものかを思い知らされました。 井戸の設置場所についても、住民同士の利害が絡み、設置場所の変更を余儀なくされ た際、了承会議の席で、怒って帰ってしまう住民もあり、ISAPHの活動にどう影響 するか心配されましたが、井戸が完成すると村のあちこちで水汲みをしている笑顔の 住民に出会いました。
ISAPHではこれまでにも毎月対象村において、郡保健局職員中心で実施する乳幼児 の身体測定、妊産婦の健診、予防接種、家族計画、巡回診療活動をサポートしてきま したが、これからはそれに加え基本的な保健衛生や、栄養、育児などについての教育 活動を更に活発化させる予定です。 これまでは日本人職員が村を訪れた時、住民に挨拶しても逃げ出したり、返事が なかったことも良くありましたが、現在では挨拶も返ってくるし、向こうから声を 掛けてくれる人も現れるようになりました。 少しづつですが活動に参加する人たちや協力してくれる人たちも増えてきています。 プロジェクト実施期間は3年ですが、対象村では農業を中心とした昔ながらの生活が 営まれているのと同時に風習が重んじられ、迷信までも信じられており、経済的な 問題もあるため、いきなり近代の習慣は受け入れられにくい状況です。 JICAから予算支援を受けながら、ISAPHの皆さんや聖マリア病院の関係者の方々に 協力してもらいながら、現地の人々と楽しく、息の長い活動ができたら良いなと 思っております。 今後とも皆様の温かいご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
ISAPH LAOS 岩田 和子