こんにちは!ラオス事務所長の石塚です。
ラオスでは皆さんご存知の通り「食用昆虫養殖事業」を展開しています。
ラオスの人々にとって大切な食文化である昆虫食。
日本の皆さんによく言われるのが、「食べるものが無くて貧しいから、仕方なしに食べているんでしょう?」ということ。
…ですがそんなことはありません!ラオスの人々は「食材として『おいしいから』」食べています。ISAPHは、そんなラオスの昆虫食文化を活用し、農村部の人々の生計向上に役立てようと活動を行っている所です。
2024年11月13日~11月17日までの5日間、ISAPHラオス事務所があるラオスのカムアン県にて、「カムアン県フードフェスティバル」が開催されました。
カムアン県に属するサイブートン郡の農村で食用昆虫の養殖支援を行っているISAPHも、養殖を行っている農家さんと共に、「サイブートン郡」としてブース出店しました。
販売するのは、農家さんが育てた「ヤシオオオサゾウムシ」の料理。
コブミカンの葉とゾウムシの炒め物や、ゾウムシのサイコー(ラオス風ソーセージ)を手作りし、販売しました。どちらもビールのおつまみにピッタリの逸品です!
フェスティバルは盛大で、ラオス首相や政府要人、ミスユニバース・ラオス代表がお見えになり、民族衣装を身に纏った人々の伝統舞踊などを披露。ラオスだけでなく近隣のタイやベトナムからの出店もあり、出店もたくさん並んだことから、非常に多くのお客様が訪れました。
サイブートン郡ブースにもたくさんの方にきていただき、多くの方に農家さんが丹精込めて育てたゾウムシを買っていただく事が出来ました。
5日間のうち、実質3日間の出店ではありましたが、売り上げは上々。
農家さんたちも「自分たちが育てたゾウムシが、多くの人に受け入れられている!売れるんだ!」という自信を持つことが出来たようです。この自信を今後の養殖のモチベーションとして、更なる品質改良に取り組み、ゾウムシを販売する市場を開拓し、安定した収入を得られるまでにすることが目標です。
ISAPHが支援を行っている昆虫養殖は「ヤシオオオサゾウムシ」という昆虫の中でも比較的高値で売買される昆虫を養殖しています。
この昆虫の養殖が軌道に乗り、販路を確保することが出来れば、養殖農家の人々は安定した現金収入を得ることができ、その現金で市場へ行き、栄養バランスよく食材を購入することが出来ます。即ち、栄養不良状態を自分たちの力で脱することが可能となります。ISAPHは、この活動を拡げ、ラオスの農村部での栄養不良を改善していきたいと考えています。
農村部で暮らす人々は、主食のカオニャオ(もち米)は自分たちで栽培しており、おかずとなる魚貝類や小動物も自分たちで川や森から獲ってくるので、炭水化物とタンパク質でお腹を満たしていることが多いです。しかし、現金収入がないと入手が難しい卵や乳製品、豆類、食用油の摂取が不足しがちで、栄養バランスが偏り、低栄養状態に陥ってしまうのです。その結果、離乳食時期以降、脳・神経系や筋・骨格系の成長を妨げてしまいます。
自分たちが偏った食生活をしていることがわかっても、定期的な現金収入がなければ、不足する栄養素を補うことができない。そんなこと、想像できるでしょうか。
おなか一杯満たされているはずなのに、不足する栄養素に関連して、免疫力が低下して、予防可能な病気で亡くなってしまう我が子を見るお母さんの気持ちを想像できるでしょうか。
そんなお母さんや子どもたちを一人でも減らすことができるよう、生計向上に資するこの活動を続けて行きたいと思います。これからもISAPHへの応援をお願いいたします!
ゾウムシ入りのサイコー(ラオス風ソーセージ)を手作り
出店に協力してくださった昆虫養殖農家さん
ラオス政府職員の方にもご購入いただきました!
自分の育てたゾウムシの商品を自信をもって販売
ISAPHラオス事務所 石塚 貴章