ラオス AINプログラム: 食用昆虫養殖事業の進捗報告

VNVパイロット農家 2期生11人 開始!

第2期村落栄養ボランティア(VNV)研修は2019年11月に修了し、12名のうち11名が昆虫養殖に手を挙げてくれました。昨年の1期生、5名からの大幅な増加で、指導日にはご近所が集まってくるなど、村での注目の高まりを実感します。

年末にセットしたゾウムシは1月下旬には収穫でき、200g以上、大成功すると1kg以上もの収穫があり、手応えを感じたようです。一年前から養殖を続ける1期生は2期生の先輩となり、慣れた様子で養殖の様子を見せたり、収穫を増やすアドバイスをしたりと、連携も起こっています。1期生はすでにゾウムシのエサに必要なキャッサバの栽培にチャレンジし、各世帯の農地を比較しながら郡農林局とも連携し、土地や人数などの事情を考慮しながら効率アップを目指しています。

2017年からスタートした公益財団法人味の素ファンデーションAINプログラムの栄養事業は様々な栄養調達の可能性を検討し、キャッサバを栽培しゾウムシを養殖するという最初の出口が見えました。まずは養殖が普及することを目標とし、栄養を阻害することなく、村落全体の栄養につなげ、村の活力へ貢献したいと考えています。

2017年当初は昆虫食の情報収集や視察は短期の予定でしたが、安定化・効率化の達成には長期滞在が必要だろうと、計画が大幅に変わった経緯がありましたが、AINプログラムが状況に応じ柔軟に対応できる支援をしてくださいました。その結果、必要な技術とデータを揃えることができ、新たにJICA草の根技術協力事業に採択されました。今後は栄養教育と養殖教育を組み合わせ、栄養につながるための昆虫養殖導入を進めていく予定です。その様子は、追ってご報告差し上げます。

NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長 佐伯 真二郎

「おいしいよね」とゾウムシの炭火焼きを
見せてくれたお母さん