2019/11/22

AINプログラム:村落栄養ボランティア育成と食用昆虫実用化への挑戦

ISAPHラオス  野田 幸枝

村落栄養ボランティアによる
栄養教育の視察

キャッサバ農地の視察

朝市を訪問

ラオス事務所では2017年4月から3年の計画で、公益財団法人味の素ファンデーションによるAINプログラムにご支援いただき、農村部食生活改善プロジェクトを実施しています。その内容は、プロジェクトサイト対象3村において、子どもの栄養改善のために、①村落栄養ボランティアを育成し、村での子どもの栄養にかかる知識の向上に努め、②栄養・生活の向上を目指して、「食用昆虫」の実用化検証(実証実験)を行うというものです。

村落栄養ボランティアの第1期生は2018年10月に研修プログラムを修了しており、第2期生も2019年11月で研修プログラムを修了する見込みです。「食用昆虫」の実用化の検証においては、2018年6月からNPO法人食用昆虫科学研究会の佐伯真二郎氏をラオスに長期派遣しており、同年末には村落栄養ボランティアの中から選定された5世帯のパイロット世帯がゾウムシの養殖に成功するに至りました。2019年5月には、パイロット世帯がゾウムシの養殖に必要なキャッサバを植える農地開墾を開始し、キャッサバの自給を目指しています。

プロジェクトは約2年半が経過し、終盤を迎えたわけですが、味の素ファンデーションのシニアアドバイザーの栗脇様とビデオグラファーの高松様による視察を受け入れました。初日、プロジェクトサイトへ出発する前に、カムアン県保健局を表敬訪問しました。トーラカン局長は、プロジェクトサイトであるサイブートン郡について、洪水や日照りで米がとれない地域があったという食糧生産事情について述べ、貧困地域において、子どもの栄養改善や食料の安定供給を目標とした本プロジェクトは意義が大きいものであるとし、称賛の意を述べられました。

2日目は、村でのアウトリーチ活動の様子を視察していただきました。子どもを連れた住民が村の集会場に集まり、保健局の職員による成長モニタリングを受ける傍ら、村落栄養ボランティアのメンバーが離乳食の調理実演をしています。アウトリーチ活動の現場は、村落栄養ボランティアが研修で学んだ知識を住民に伝える場でもあるのです。当日の離乳食は、卵と肉、ニンジン、カボチャ、空心菜等が細かく刻まれた、彩り豊かなお粥でした。離乳食を配布した後は、栄養素の種類やバランスの良い食事の重要性についての栄養教育を実施しました。

アウトリーチ活動の後はゾウムシ養殖のパイロット世帯を訪問し、住居の一角に設置され養殖場とキャッサバ農地をご覧いただきました。ゾウムシの養殖は全パイロット世帯が成功を収めており、養殖規模拡大への期待が高いといえます。しかし一方で、多くの住民に養殖技術を広めるためには、需要に見合ったキャッサバを確保することが課題であるという現状をお伝えしました。

ラオス事務所では、子どもの栄養状況が改善されることを目標とし、プロジェクトの効果が継続できるよう、これからも活動を続けてまいりたいと思います。