東邦大学看護学部看護学科スタディツアー

平成26年7月20日~23日に、東邦大学看護学部看護学科のスタディツアーの受け入れを致しました。参加者の方からいただいた報告を以下に掲載します。

ISAPH 事務局

文化と付き合う

“文化の違い”という言葉でまとめるのは簡単だけれど、その壁は高いものだと知ったスタディーツアーになりました。

ISAPHの活動報告で担当の方が「昔から生まれた子供に母乳をあげると死んでしまうという迷信があるようで、ラオスでは子供が生まれたら練乳を与えるんです。練乳を与えると栄養失調を引き起こし、最悪死に至ることがあるのに。」というお話を聞いて、教育・医療の問題以前に、文化の違いや価値観が大きく影響を受けていることに気づかされました。日本でも様々な妊娠・出産に関する文化はありましたが、他国の進出によって文化が少しずつ薄れてきているように感じます。文化によって乳児死亡が増えたりすることは悲しいことですが、ラオスで学んだ、文化のあり方はどこの国でも大切にしていくべきものだと思いました。ISAPHの活動のように、その国の文化を崩さず、良い医療や教育を不足している国へ勧めていくような活動がこれからも続くことを願っています。たくさんの素晴らしい経験をありがとうございました。

東邦大学看護学部看護学科4年 芦澤 望

ISAPHスタディーツアーを通して

ラオスに来る前に事前学習としてISAPHの活動について調べてきましたが、直接説明して頂けたこと、実際に村に行って母子保健活動にご一緒できたことは、とても貴重な経験になりました。その中でも特に素晴らしいと思ったことは、ヘルスボランティアの方々の存在です。日本にはボランティア団体は沢山ありますが、最近の日本では、地域の中でも交流が少なくなってきて、各家庭を把握することは難しいです。ラオスでは、村ごとにボランティアの方々が健診の手伝いや、栄養指導・健康教育をしてくれます。健診などに来ない家庭には直接話をする・呼びに行ってくれるなど、私たち日本人がラオスで活動する上で、とても大きな存在であると考えました。また全く違う文化の中で、そこで暮らす方々のプライドや生活を傷つけず、教育的指導をすること、そして行動変容して貰えるようになることの難しさも学びました。この貴重な経験を忘れず今後の学習に取り組んでいきたいと思います。

東邦大学看護学部看護学科4年 吉澤 将三朗

文化を尊重すること

モバイルクリニックに同行させて頂き、妊婦や5歳未満の乳幼児の健康診断の後にはISAPHの現地スタッフによる食事に関する健康教育があり、集まったお母さん達は熱心に話を聞き入っていた光景がとても印象的でした。その光景を見て、子ども達の健康向上の為にお母さんは努力を惜しまないことはどの国でも同じなのだと思いました。また、健康教育の中ではラオスの伝統的な文化である産後の「食物タブー」にも触れていました。食べられない食物を避けつつ、どのような代用となる食物を摂取して栄養を補うことができるのかを妊婦さんに問いかけて一緒に解決していました。食物タブーを真っ向から反対し禁止するのではなく、文化を尊重して食物タブーを実施しながら充分な栄養を摂取するようにすることはとても重要なことだと思います。海外で、地元の方々の健康を増進する活動を実施するには彼らが大切にしている文化を尊重する必要があることを学ぶことができました。

東邦大学看護学部看護学科4年 向井 華麗

ISAPHの活動を通して感じたこと

ISAPHのオフィスでラオスやISAPHについての概要を聞いたとき、事前学習から漠然と考えていたイメージが現地にてその現状を聞くと発展途上にあるというのはこういうことなのかと実感が湧いてきて、その場にいられることが本当にすごいことだと感じました。乳児にもち米やコンデンスミルクを与えていることや、母乳により死んでしまう可能性があるというような迷信が受け継がれていることは衝撃的でした。このような文化の違いを根本から否定することはできません。しかし、人口が少ないことや就学率が十分でないことにより、コミュニティが生活する村や家族だけに留まってしまい、知識を得る場が少ないことも影響しているのではないかと考えました。今では、現地スタッフが主体でモバイルクリニックができるようになったというお話でしたが、ISAPH が介入していない地域ではこのような健康管理がされていないことになるので、全土の国民をと考えると途方もないことのように思えてしまいました。でも、現実には少しずつ改善されていることもわかり、私も現地で活動してみたいと思いました。

東邦大学看護学部看護学科4年 三上 莉子

ラオスの医療

私は今回、大学の統合実習の一環として、スタディツアーに参加させていただきました。事前学習として、ラオスの医療のことや看護のこと、母子保健のことなどについて学んではいたつもりでしたが、実際にラオスに行き、見学させていただき、勉強だけではわからなかったことを知ることができ、よい経験となりました。また、本当に必要としているものが何なのかは、実際に現地に足を運び、現地の習慣や文化を学んだ上で、初めてわかるのではないかなと思いました。現地を訪れたことで、みんなで子どもを育て、家族が患者の世話をするというラオスの良さも知ることができました。

医療の状況をより良くしようと思うと、その地域の歴史や文化を理解し、信頼関係を築いていかなくては、良い方向にもっていくことは決してできないということを改めて実感し、改善することの難しさを学ぶことができ、貴重な体験となりました。このような機会をいただき、本当にありがとうございました。

東邦大学看護学部看護学科4年 三澤 裕子

スタディーツアーに参加して感じたこと

今回ISAPHの活動を聞き、病院を見学し、更にはモバイルクリニックに参加させていただき、貴重な体験をすることが出来ました。

ラオスには食物タブーやモッカオといった伝統があります。健康教育を行うには、その伝統をふまえたうえで、母乳育児を推奨したり、タブーの期間を短くしてもらったり、伝統も尊重しつつ、正しい知識も伝えていました。なにか活動を行うにしても、きちんとその国の文化を知らなければ、活動が無意味なものになってしまうということを学びました。

また、ラオスでは妊娠したことに気づかない妊婦さんも多く、健診を受診するタイミングが遅れてしまうことが良くあるとのことでした。数少ない健診日数のなかで、妊婦さんの状態をきちんと知るためには、スタッフの技術が大切であるということを感じ、改めて健診・基礎の重要性を実感することが出来ました。

日本であらかじめ学んでも、実際の場に行ってみると想像とは異なり、ラオスに行ったからこそ学ぶことが出来た部分は多々ありました。この体験を今後の私の看護師人生に生かしていきたいと思いました。

東邦大学看護学部看護学科4年 小野 彩奈

ラオスでの活動を見て

今回ISAPHの活動についてお話を聞き、村での活動に同行させていただき、新生児にモッカオを与えることや食物タブーの習慣が続いていること、妊婦健診に行くことが当たり前ではないことなど、日本とは違う世界に驚くことが多くありました。しかし、ISAPHの母子保健プロジェクトなどにより、その習慣について村の人に指導し、理解してもらえるような環境が作られていることに気付きました。その村に必要である支援をずっと続け、村の人たちから少しずつ信頼を得られることで、健診受診率の向上など指導や活動の結果が出るということがわかりました。

今まで途上国など医療の現状に興味はあったけれど、テレビや本、インターネットのみの情報しか知りませんでした。今回実際にお話を聞くことができ、また自分の目で現状を見ることができ、途上国の医療についての知識を深めることができました。

東邦大学看護学部看護学科4年 清藤 彩波

ISAPHの活動で学んだこと

私がISAPHのスタディーツアーで印象に残っていることは、カシ地区でのモバイルクリニックに参加させていただいたことです。村に着くと、村の人が集まっていて、放送で呼び掛けるとまた集まり、ISAPHの方達が今まで活動を行い、信頼関係を築いてきた成果なのではと思い、積み重ねて活動を行うことや、信頼関係を得ることはとても大切なことだと思いました。ラオスでは、モッカオや食物タブー、母乳を与えてはいけないなどの伝統的な文化により乳児死亡率が高いことが問題になっていますが、そのような文化を配慮しながら、改善方法を考えていき村の人達に健康教育を行うことで、受け入れてもらいやすくなるということを学びました。また、識字率が低いため、健康教育も絵で分かりやすく説明をし、知識をただ与えるだけではなく対象がどういう人達で、どのようにしたら相手が理解してくれるのかというのを考えることが大切だと学びました。

貴重な体験をさせていただき、たくさんの学びや理解を深めることができました。ありがとうございました。

東邦大学看護学部看護学科4年 林 沙織

村人のみなさんと

看護学生と記念撮影

モバイルクリニックでお手伝い