平成24年7月4日~6日に、琉球大学医学部のスタディツアーの受け入れを致しました。参加者の方からいただいた報告を以下に掲載します。
ISAPH 事務局
母子保健スタディツアーに参加して
7月4日から6日までの3日間、ISAPHのスタディツアーに参加させていただきました。ラオスへはこれまで一度も行った事がなく、事前に調べていましたが情報があまりなかったので、実際にラオスの医療機関や看護学校などを視察させていただいた際には驚きの連続でした。なかでも母子保健活動の視察では考えさせられるものが多く、非常に印象に残りました。
タケクはラオスの地方都市で、5番目に大きい都市ですが緑が多くのどかな住みやすい都市でした。この地方では産後などに母親の食べものを厳しく制限する食物タブーが存在しており、それにより母親のみならず母乳を飲む乳児が栄養失調に至り高い乳児死亡率となっていました。食物タブーの内容は部族や家庭によっても異なっていて、それを食べたら不吉な事が起きるなどという迷信により食べものが制限されています。この状況を改善するための活動をISAPHは行っていました。ISAPHの活動により乳児死亡率は低下しており、栄養指導や手洗いおよび飲み水についての健康教育などにより栄養摂取状況や衛生行動も改善し、活動の成果が出ているように感じました。
食物タブーの存在自体、実際にラオスに行き母子保健活動を見るまでは真実味がなく日本との差を非常に感じました。今回のスタディツアーに参加することで、国際貢献というものが身近に感じられるようになりました。また、日々精進し将来医師となり自分も何らかの活動へ参加し、医療貢献ができるようになりたいと強く感じました。とても貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
セブンファイ郡病院前にて
ラオスでのISAPHの母子保健活動について
この度、ラオスでのISAPHのスタディーツアーに参加させていただきました。今回はラオスの南部に位置するカムアン県を訪れましたが、私は沖縄出身であり、沖縄とラオスにはともに雨が多く温暖な気候であるということだけでなく、時間にルーズなところや優しそうな人柄など多くの共通点があるように感じ、集落の様子も沖縄の原風景を見ているようでした。
そんなカムアン県での視察で特に印象に残ったのが母子保健活動です。そこでは、乳幼児の体重・身長測定、予防接種、妊婦健診、母子の健康増進に関する健康教育を行っていました。健康教育ではISAPHの職員がパネルを用いて分かりやすく説明をし、集まった数十人の住民の方々は熱心に聞いていましたが、私は事前にラオスの人々はあまり時間を守らないと聞いており、集まる住民はまばらかもしれないと予想していたので驚きました。その光景から、ISAPHの母子保健活動が住民の方々に理解され、かつ必要とされているのだと思いました。
遠い日本から来たISAPHは当初、現地の人々の理解を得ることに苦労したそうですが、今回の視察では現地の人々から多くの信頼を得ているように見え、ISAPHの地道な活動が実を結んでいるのだと思いました。今回このような貴重な機会を与えて下さった楾さんをはじめISAPHの皆さまには深く感謝し、これを機に日本の国際協力について考え、将来何らかの形で尽力できればと思いました。
カムアン県病院 病院長表敬訪問終了後の集合写真
スタディツアーに参加して
7月4日~6日の間スタディツアーに参加させていただき、ラオス国カムアン県セバンファイ郡で行われている母子保健活動を視察しました。その主な内容は栄養や衛生に関する健康教育と、身体測定やワクチン接種を行うモバイルクリニックです。これらの活動が開始された二年ほど前は、地元の人々は見向きもしなかったそうですが、ISAPHの皆さんの献身的な活動により、いまでは集会所がいっぱいになるほど人々が集まるようになり、乳児死亡率も着実に低下しているそうです。
プロジェクトマネージャーのお話によると、一方的な考えを押し付けるのではなく、地元の人々の慣習を大切にしつつ、多面的な視点を取り入れながら柔軟に活動方針を修正しているそうです。全く環境の異なる異国の地で、このようなNPO活動を行うのは強い信念を持っていなければなかなかできないことだと思いますが、決して独善的になることなく、地元の人々の思いを第一に考えて活動されていることに非常に感銘を受けました。この経験を忘れることなく、今後の医師としての人生に活かしていきたいです。本当にありがとうございました。
ISAPH職員の説明を聞きながら、健康教育を見学する様子
健康教育の風景