聖マリア病院第2回スタディ・ツアー

昨年度に引き続き、第2回聖マリア病院のラオス国スタディツアーの受け入れを2008年11月16日~21日の5日間で行いました。ツアーの参加者はマリアの職員の方3名でした。以下参加された方の感想をご報告いたします。

スタディ・ツアーを終えて

今回のスタディ・ツアーでは、ラオス国での看護師の現状を肌で感じることができた。県病院や郡病院においては、患者が入院すると患者の世話のために家族で病院に住んでいるような状況で、病院の敷地内には村から一緒に連れてきた家畜が数多くいた。ラオス国の医療の主な担い手として看護職の役割は大きく、特に地方に行くにつれその業務範囲は拡大し、ヘルスセンターでは、准看護師が診断、処方、お産の介助までも行っている現状であった。マホソット病院でICUを案内してくれた看護師は日本での研修の経験もあり上手な日本語で案内してくれた。まだまだ学びたいとやる気に満ち溢れていた。他国の支援が必要な現状のなか、国際協力の支援と彼女たちのやる気で大きく成長していってほしい国だと感じた。

最後に、聖マリア病院の旧白衣が、今回見学した県病院と郡病院に寄贈されており、「私の白衣を着た看護師に会えるのでは」と期待していた。残念ながら私の白衣を着た看護師には会うことはできなかったが、郡病院でLLサイズの旧白衣を着たスタッフと交流でき嬉しく感じた。

聖母4階病棟 古賀さとみ

ラオス国でのME機器の仕様状況から察すること

ラオス国スタディツアー(2008年11月16日から11月21日)に参加しました。開発途上国の国情や保健医療の状況を理解し、異文化を体験することは固より、医療機器の使用状況やメンテナンス方法(保守点検)についてリサーチすることを重視しラオス国内の病院を見学しました。日本国では病院内で生態情報を監視するモニター使用は普遍的であり、その時代に沿った多数ME機器が使用されます。ラオス国では日本国をはじめ様々な先進国より譲渡されたME機器を使用していました。しかし一部には使用方法が分からず放置されたり、適正な使用方法が成されてなかったりした現場を目の当たりにしました。機器を使用すればよい医療が提供できる訳ではないのですが、適正使用方法の指導等の必要性を実感しました。「臨床工学技士」としてラオス国の医療に協力できる部分があるのかとても懐疑的な思いを持ちながらのスタディツアー参加だったのですが、ME機器の使用状況が分かり今後国際協力の一環として微力ではありますが協力できればと感応しました。

臨床工学室 堤 善充

ラオス国スタディツアー

開発途上国について、文章や写真等では実感できなかったが、今回、スタディツアーに参加し、実際に体感する事で文章や写真でのことを明確に感じることができた。文化の違いの一つとして1歳以下の子供は人として認識されないことに今でもかなりのショックを受けている。また、ISAPHの支援活動に携わっていたVHV(Village Health Volunteer)が出産時に亡くなり、母子保健の向上を目指すISAPHスタッフのやるせない気持ちを伺った。このように、ISAPHスタッフや協力隊員など国際協力に関わる方々から、現場の生の声を直接伺うことができ、考えさせられる部分がかなり多かった。しかし、開発途上国の文化・医療に直接ふれることができ、大変貴重な経験を得ることができた。今回のスタディツアーの志望動機であった、「実際に開発途上国にでて直接的な国際協力を行ってみたい」と思う気持ちは変わらず持ち続けており、今後検討していきたい。また、今回語学に対しての重要性を痛感し、勉強を行っていきたい。  今回、国際協力部・ISAPHのスタッフをはじめ、多くの関係者の方々に大変お世話になりました。このようなチャンスを頂たことを大変ありがたく思い、今後の糧としていきたい。ありがとうございました。

理学療法士 伊藤徹哉

(注:国際保健協力現場の方々の話によると、ラオスでは、一歳未満の子供に命名せず「男の赤ちゃん」「女の赤ちゃん」「おチビちゃん」などと呼んでいることが少なくない。また、一歳未満児が死亡しても殆どの場合葬儀は行われず、死後は(胎児も含め)廃棄物の様に扱われているそうである。現場の方がその理由をラオス人に尋ねると「一歳未満の子供は人じゃないから」との回答を得たとのことであった。「廃棄物(ゴミ)のような」扱いと「人ではない」という発言に参加者全員ショックを受けていた。しかし「人ではない」という言葉に反して、実際にはラオス人は一歳未満の子も一歳以上の子と同様にとても可愛がっている。とても可愛がっているにも拘らず、1歳未満児が死亡すると、何故急に廃棄物のような扱いになるのか?恐らく、「人じゃない」という言語的表現は、状況や理由を十分に表現できていないと思料する。日本では12週以上の胎児は埋葬義務があるが、引き取り希望がない場合12週未満は医療廃棄物として扱われており、先進国の中には24週以上でも医療廃棄物としての扱いが可能な国もある。(スタディツアー指導者:高岡))