カンボジアからの留学生インターン 終了報告

ISAPHインターン終了報告

2022年3月より2ヶ月間、長崎大学大学院グローバルヘルス研究科に所属する、カンボジアからの留学生2名のインターンが、無事にインターンを終了いたしました。

2ヶ月のISAPHでのインターンで学んだことを報告いただきましたので、ご紹介いたします。

長期実務実習最終報告

4月の1週目、2週目も引き続き、ラオスのプロジェクトを学ぶことができました。1つ目のセッションでは、ISAPHラオス事務所の母子保健プロジェクトについて説明を受けました。2つ目は、ラオスの保健システムの紹介です。3つ目に、ISAPHが支援するナノーイトン保健センター地域でのアウトリーチ活動の紹介。4つ目は、ISAPHがなぜラオスの昆虫養殖を支援しているのかについての説明。5つ目は、施設分娩を促進するための戦略。最後は、ISAPHラオス事務所から宿題をもらいました。母子保健活動のプロジェクトコーディネーターとラオス事務所のスタッフは、毎回オンラインでセッションを開催しています。セッションの合間にプロジェクト側の母子保健活動や昆虫飼育に関連したビデオを提供してもらいました。さらに、各セッション終了後には、ディスカッションや質疑応答が行われます。常に、現状を多角的に見ることをイメージしており、様々な意見が飛び交います。

今回、インターンとして与えられた課題は、ラオスの社会指標調査から主要保健指標をまとめること、プロジェクトから得られた情報の分析作業などでした。情報は沢山ありましたので、インターン仲間と相談して、それぞれ役割を分担して最終的に発表することにしました。各プレゼンテーションの後、フィードバックを受け、プレゼンテーションの結果について議論しました。情報のまとめ方や発表スライドの作成方法についてもアドバイスをいただきました。プロジェクトを理解し、データセットを分析することは容易ではありませんでしたが、私たちが尋ねるといつでも情報を追加してくださったり、指導や現地の経験を共有してくださったりしました。これまでの自己学習もあり、この度の課題を無事に達成することができました。これらの機会は、母子保健に関連する重要な指標の見つけ方や、具体的な医療制度の問題に対して可能な解決策を作るためのクリティカルシンキングについて考える機会となり、グラフや図表の適切な作成方法も改善することができました。

3週目と4週目は、インターンシップの最終発表に向けた自習と制作に時間を割きました。自己学習期間と発表の準備では、インターンシップの目的の確認とISAPHのラオス・マラウイプロジェクトの目的の確認に重点を置きました。研修中で経験したことをすべて振り返り、何を学んだのか整理し、て、自己反省を行い、今後の業務経験に対する可能な解決策を作成しました。さらに、プロジェクトの実施に関連するフィードバックや提言についてもチャレンジしました。発表会では、これまでにかかわったすべてのISAPH職員が参加してくださいました。

結論として、ISAPHで働く皆さんから全面的に支援していただき、無事にインターンとしての役目を果たすことができたことに感謝し、感動しています。私は、この組織の構造、ビジョン、主要な活動を理解することができました。また、母子保健に関するプロジェクトマネジメントを、実際のプロジェクトから理解することができました。インターン期間中の活動で新たなスキルや経験を得たことは、今後の業務にも積極的に活用・応用していきたいと考えています。カンボジアの保健機関、特に母子保健サービスの向上に、この度の経験で得た知識と技術が貢献できると確信しています。

短い間ではありましたが、本当にありがとうございました。

長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 国際健康開発コース

Suong Davy

2022年3~4月インターンシップの最終報告

母子保健と栄養改善は、貧困や資源が限られている低・中所得国にとって特に深刻な健康問題の一つです。私はこの問題に取り組むことは人々の生きる権利を守る上で重要であり、ISAPHのプロジェクトがラオス・マラウイで実施されることが歓迎されると感じています。そしてプロジェクトで得られる教訓は、近隣諸国にとっても、母子の死亡を減らすための強力な資料になると期待できます。

 ISAPHのプロジェクト戦略はよく練られており、活動が目標とする指標をどう改善するかよくわかります。しかし、プロジェクト終了時にすべての問題が解決しているわけではないことも知りました。交通手段の不足、道路事情の悪さ、保健施設から離れたところに住む住民、健康信仰、健康教育、資格を持った保健スタッフ、保健施設の数の少なさなど、プロジェクトでは十分に解決できない残された課題

にも目を向ける必要について理解しました。すなわち、国際的NGOとしてのプロジェクトは、現地の保健省を通じた地方政府の関与、そして地域住民の参加なしには、その目標を十分に達成することはできません。このような事実を真摯に捉え、ISAPHがこれからも力強く成長と発展を目指していることに、非常に刺激を受けました。

またマラウイとラオスのプロジェクトに参加し、沢山のディスカッションを通じて、ISAPHが抱えるこれからの課題についても理解することができました。私なりに考えを整理したので、以下の点について触れておきたいと思います。

マラウイ:

 - ISAPHがけん引する栄養価の高い食物の村落内での生産は、全国規模での拡大が望まれている。

 -ISAPHが実施する村落での栄養改善活動(調理実習など)が、プロジェクト終了後も維持されるための工夫が必要である。

 -ISAPHの活動に母子手帳のプログラムを組み込むことができれば、より有益になる。

ラオス:

 - ISAPHの昆虫養殖プロジェクトは、今後の全国規模での展開について、自治体との協議が益々必要である。

 -同プロジェクト終了後も、サイブートン郡の住民が昆虫養殖を学べるような「昆虫コミュニティ」の必要性。

最後に、ISAPHの特徴を5つのポイントに整理してみました。1つ目は、不確実性の高い環境の中で、地方に住む教育を受けていない人たちと一緒にさまざまな活動を行い、成功させることができるレジリエンス(回復力)。2つ目は、プロジェクトに携わる一人ひとりのメンバーが抱く、業務に対する高い責任感。3つ目は、メンバー同士や協力者に対する尊敬の姿勢。4つ目は、時間厳守。常に時間通りに行動し、関与したすべての活動をタイムリーに完了する能力があります。最後に、プロジェクトを成功させるという決意の下、数多の業務を遂行するタフネスです。

2ヵ月という短い期間ではありましたが、ISAPHがこれからも成長して、カンボジアを含むより多くの国にプロジェクトを届けることができることを心から祈念しています。

ご尽力いただき、また貴重なお時間を割いてご支援いただき、誠にありがとうございました。

長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 国際健康開発コース

 SAMBATH Sreyleak