ラオスにおける粉ミルク支援:Mr. パラミー
ラオス住民ボランティアの教材作成
ISAPHでは、2017年度より「食生活改善推進員(VNV: Village Nutrition Volunteer)育成事業」を行っています。本事業では、ISAPHの母子保健プロジェクトの対象村で食事・栄養リーダーとなるVNVを育成しています。VNVの育成研修はISAPHの対象3村から各3~4名の希望者を募り、本年度も2期生が研修を修了し、合計20名余りのVNVが誕生しています。
VNV研修では、栄養に関する講義に加えて調理実習を行っています。研修の最終回に実習で調理したレシピをまとめたレシピ本を研修生に配布しました。レシピ本は、研修生が研修で学んだ栄養の知識とバランスよく食材を使った料理が復習でき、食事・栄養リーダーとして地域の他の住人に助言等をする際にも活用できる有用な教材と考えられるため、教材(レシピ本)作成の支援をすることを決定しました。
マラウイ栄養補助プログラム(SFP)支援:Ms.グレース カコタ
当該プログラムはマラウイ国が実施しているものであり、急性の低栄養状態に陥った児への治療として補助栄養食の配布を行うものです。ISAPHの活動地域であるマラウイ国ムジンバ県マニャムラヘルスセンターにおいては、補助栄養食が在庫切れを起こしていることが問題となっていました。
ISAPHでは、児の低栄養状態の悪化を防ぐため、また栄養教育を目的として、ムジンバサウス県保健局との協働のもとマニャムラニヘルスセンターに対して栄養補助食の支援を実施しました。2019年11月22日に当該支援を伴う初のSFPが実施され、以後、2020年3月13日までに計17回のSFPが実施され、合計74名の対象児に対して累計268回 3,752食分の配布支援を実施しました。今回は、そのうち1名の事例をご紹介いたします。
児の出生体重は2.4kgでしたが、出産直後より母乳が出ず、すぐにNRU(Nutrition Rehabilitation Unit:栄養リハビリテーション室)へ入院となりました。NRUでは1カ月半治療用のミルクを与え、その後退院となりましたが、病院から粉ミルクの配布はなく、家庭で粉ミルクを購入し2カ月与えました。生後3カ月頃より母乳が少しずつ出始めたので粉ミルクの購入を止めましたが、依然児の体重は3カ月半で3.9kgでした。乳幼児健診時、HSA(Health Surveillance Assistant)と相談し、母親の母乳が十分でない事からSFPへ登録し支援開始となりました。支援開始時、児の体重は4.5kgでしたが支援終了時5.5kgまで改善しました。
支援終了後
SFPの様子
体重計測
身長計測
上腕周径計測(MUAC)
問診
アセスメント