退任の挨拶
2019年9月末日をもちまして、ISAPH事務局長を退任しました。
2007年4月の着任以来、多くの皆さまに温かいご支援、ご協力を賜り、誠にありがとうございました。それまで国際協力の現場で20年以上技術協力に携わっておりましたが、NPOの運営管理経験は全くなく、試行錯誤の連続でした。思い返せば、ラオス・マラウイでの母子保健プロジェクトの立ち上げからここまで、直面した種々の課題を暗中模索しながらも職員とともに乗り越えることができたのは、ISAPHの活動にご賛同いただき、たゆまぬご協力をくださった支援者の皆さまと、現地で共に働いたカウンターパートや活動地域の住民の皆さまからいただいた有形無形の支えがあったからこそと痛感しております。この12年もの間、多くの感動と喜びを与えてくださった皆様に、この場を借りて心からお礼を申し上げます。
今後は、ラオス事務所長として現地の活動を牽引してきた佐藤優が事務局長を受け継ぎます。ISAPHは、地域住民が健康的な生活ができるための仕組み作りを目指して活動に取り組んでいます。その仕組み作りの基礎となるのは、現地の人たちとの信頼関係です。新たな体制の中で、現地の人々に寄り添う姿勢を貫きながら、ご支援いただいている皆さまの期待に応えてくれることを確信しています。
今後とも変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げます。
温故知新 ~新事務局長として就任します~
NPO法人ISAPHは、2004年に誕生して、これまで多くの職員・専門家・ボランティア・インターンなどの力を借りることで活動を続けてくることができました。ラオスおよびマラウイの住民や政府から感謝をされる活動ができたのは、聖マリア病院の後ろ盾だけでなく、人と人が有機的に繋がって一つの目標に向かって走ることができたからに他なりません。この度、事務局長として新しい時代のISAPHの運営に携わっていきますが、これまでの諸先輩方が培ってきたネットワークを引き継いで、これからも「良い活動」ができるように取り組んでいきたいと考えています。
このような国際協力に対する想いは変えずに受け継ぐ一方で、私がISAPHに来た2016年から、変わっていくものも沢山あることに気づかされます。2016年以降、SDGs(持続的な開発目標)が叫ばれるようになって、企業・大学・行政・NPO/NGOなど多くの機関が、国際協力や持続的な社会開発に関心を持つようになってきました。社会は常に動いていて、新しい発見が増え、技術は日進月歩で開発され、次々に生まれてくるアイデアをどのように現場に活かしていくか考えていく必要があります。受け身の姿勢では、「良い活動」ができないのだと、人や社会の動きをみて、そう思います。つまり、これまでの国際協力にかける熱い想いと人とのつながりは大切にしつつ、新しいことにチャレンジしていく姿勢が、次の事務局長として担っていくべき役目なのかと思っています。温故知新、このテーマを掲げ、ISAPHをさらに大きく、より社会の発展、途上国の保健医療の向上に貢献できる団体となるようにこれから頑張っていきますので、みなさまどうぞよろしくお願いいたします。