2017年度 寄付金による支援の報告

ISAPHは皆様からいただいた寄付金による支援をラオスやマラウイの活動地域で行っております。昨年度は、母乳育児が困難な貧困家庭への粉ミルク支援の他に、保健ワーカーの活動拠点兼住宅の建設支援なども実施しました。2017年度に行った寄付金による支援の一部をご報告いたします。

ラオスにおける粉ミルク支援:Mr.ブンデーン

2017年2月より支援を開始。双胎児として生まれ、出生体重はいずれも2,500gを下回る低出生体重児でした。産後は母の授乳状況も比較的良好で、2ヵ月までは1日平均20g程度の体重増加量が認められていましたが、その後、児の成長に伴う哺乳量増加に母親が対応できず、2ヵ月以降の体重増加は非常に少なくなっていました。授乳状況の聞き取りでは、母親はそれぞれに母乳を一日に2回しか与えておらず、代わりにコンデンスミルクを薄めたものを2回、柔らかくしたもち米を2回与えているとのことでした。保健指導により、もち米やコンデンスミルクをあげず、母乳を与える回数を増やすよう助言したものの、農業に従事しているため母親が授乳に十分に時間を割くことが難しく、児の栄養状態の悪化リスクおよび母親の育児負担が著しく高まっている状況であったため、今後も母乳栄養を積極的に行うことを条件として、不足分の粉ミルクについて支援することにしました。

支援開始以降は成長曲線のカーブに沿って順調に発育していき、6カ月以降は離乳食も開始しました。満1歳となった2018年4月で、当初の予定通り支援を終了しました。

初回支援時の様子

マラウイにおける保健ワーカーの活動拠点兼住宅の建設支援

2018年4月にもご報告しましたように、マラウイのチャンジョブとカウンディにおいて、保健ワーカーの活動拠点兼住宅の建設支援を実施しました(詳細はこちら)。 保健ワーカーが担当地域内に活動拠点を持つことで、現地保健サービスの向上並びに健康増進活動の強化を図ることが狙いです。具体的には、村の衛生環境の監視、5歳未満児の発育状況を把握するための成長モニタリング、健康教育、予防接種等の予防活動に加え、早期診断および初期治療を安定的に実施できるようにすることを目的としています。

<チャンジョブ>

活動拠点兼住宅を建てる前の土地の様子
現地コミュニティーがレンガを焼いて 積み上げるところまで終了させました
建物が完成し笑顔を見せる保健ワーカー
5歳未満児の成長モニタリングが 毎月実施されています

<カウンディ>

工事中の建物内部の様子
完成した建物の前で記念撮影
引き渡し式典
保健ワーカーが住民の保健ボランティア を指導し、体重測定を実施

ラオスにおけるトイレの建設支援

ラオスにおける母子保健改善プロジェクトの対象村の一つであるパークワイドン村では、村の集会場を利用して住民への健康教育や村落保健委員会メンバーへの研修等を行っています。しかし、その集会場にはトイレが設置されていないため、参加者は近隣の家のトイレを利用したり、茂みで用を足したりしている状況でした。2017年12月にパークワイドン村の村長より、「集会場を利用する人たちのために、また、住民にトイレの大切さを伝えるために共用のトイレを設置したい。建設は自分たちで出来るので、資材だけでも支援をお願いしたい」と要請がありました。衛生の観点からトイレは必要不可欠なものです。清掃や修理を村人自身の手できちんと行うことや、このトイレを利用して手洗いなどの衛生教育を定期的に実施していくことなどを村長と約束し、トイレ建設用の資材を供与することを決定しました。
パークワイドン村の集会場
住民によるトイレの建設作業
住民によるトイレの建設作業
完成したトイレ

完成したトイレ

ISAPH 事務局