ISAPHは皆様からいただいた寄付金により、ラオスの活動地域の貧困者で母乳育児が困難な母親や家族への粉ミルク支援等を行っています。2016年度は、セバンファイ郡からサイブートン郡へと活動地域を移し、活動の基盤整備を行ってきました。そのため新活動地域における寄付金による支援は2017年2月より開始いたしました。
<2016年度の支援内容>
粉ミルク、哺乳瓶、保温水筒の供与 4名 550,000Kip(約7,705円)
Ms.ユッサマイ/Ms.ブンタイ(双子)
2017年2月より支援を開始。双胎児として生まれ、出生体重はいずれも2,500gを下回る低出生体重児でした。産後は母の授乳状況も比較的良好で、2ヵ月までは1日平均20g程度の体重増加量が認められていましたが、その後、児の成長に伴う哺乳量増加に母親が対応できず、2ヵ月以降の体重増加は非常に少なくなっていました。授乳状況の聞き取りでは、母親はそれぞれに母乳を一日に2回しか与えておらず、代わりにコンデンスミルクを薄めたものを2回、柔らかくしたもち米を2回与えているとのことでした。保健指導により、もち米やコンデンスミルクをあげず、母乳を与える回数を増やすよう助言したものの、農業に従事しているため母親が授乳に十分に時間を割くことが難しく、児の栄養状態の悪化リスクおよび母親の育児負担が著しく高まっている状況であったため、今後も母乳栄養を積極的に行うことを条件として、不足分の粉ミルクについて支援することにしました。
Mr.カーロン/Mr.ウォンドゥーン(双子)
2017年3月より支援を開始。貧血のある母親の疲労を考慮し、粉ミルクを自身で購入し、混合栄養で育てていました。哺乳状況も比較的良好でしたが、児の成長に伴う哺乳量増加に母乳及び粉ミルクの量を十分に補うことができず、生後3ヵ月以降より身長・体重の増加量減少が目立ってきました。母親が母乳栄養を今後も努めて行うこと、また引き続き家族及び親族の協力により粉ミルクを購入(支援前と同量の2~4箱)していくことを条件として、不足分の粉ミルクについて支援することにしました。