マラウイレポート 緑に染まる大地

ムリ・ウリ?(現地語で“ご機嫌いかが?”という意味)日本では寒い日が続いていると聞きます。お体には十分御自愛ください。

さて、マラウイでは例年に比べて少し遅め(例年は11月半ばごろ)ではありますが、12月中旬から本格的な雨季に入りました。毎日のように雨が降っています。乾季のときは茶色だった大地が緑色に変わり雄大でとても綺麗です。今回はマラウイの大地を緑に染めているメイズ(とうもろこし)について少しお話させてください。マラウイの主食はシマといってメイズを粉にして練ったものです。これをデンデと呼ばれるおかず(野菜や豆、肉など)と一緒に食べます。マラウイの人たちはシマが大好きで「日本に行ってみたいけど日本ではシマが食べられないから行かない」と言うくらいです。

雨季が近くなるとマラウイの人たちにとっては1年で最も忙しい時期の始まりです。雨季に備え自分たちの主食であるシマの材料となるメイズを育てるため畑を耕し始めます。私には分からないですが、マラウイの人たちは気温の変化や風の吹き方などでもうすぐ雨季が始まるのが分かるそうです。自分たちの1年分の食料を確保するために耕す面積は広大で植える種の量は膨大です。みんな一家総出で働いています。この時期にこちらが村でなにか活動を計画したとしても村人の出席率は散々なものです。生活がかかっているのですから当然です。畑を耕したあとは時期を見計らって種を植え、肥料をやり、十分な雨が降ってくれることを祈りながらメイズの成長を待ちます。作物に水をやるということはしないので雨が十分に降らないと死活問題です。私も日本にいるときは雨の日が億劫でしたが、こちらで生活していると雨が降るとほっとします。逆に降らない日が続くととても心配になります。

マラウイでの生活は本当に自然に力をもらって生きているなと感じます。市場に並ぶ食べ物は季節によってまったく異なります。そのときに採れるものを食べます。もちろんそれ故に自然に左右され困難が生じることもしばしばですが、それがここの生活なのです。今年は今のところ雨が順調に降り続きメイズの収穫が期待できそうです。太陽と雨と大地からパワーを得て大きく育っていくメイズとともに、マラウイの人たちも彼ら自身の力で成長していってほしいと願っています。そして私たちの活動がその肥料の一粒にでもなれれば良いなと思います。

ISAPH Malawi 岡本 愛

メイズ畑

畑で作業中の住民

雨上がりの虹