平成25年10月15日~16日にかけて、ラオスの首都ビエンチャンにある国立公衆衛生研究所にて、第7回ラオス保健フォーラムが開催されました。参加致しましたので、その様子を報告させていただきます。
この保健フォーラムはラオスで2007年より毎年開催されており、ミレニアム開発目標を踏まえ、ラオスや近隣諸国を対象に行われてきた保健医療分野における研究発表、議論、情報交換の場とされ、さらなる保健医療の発展、相互の協力、そしてラオスの発展といった願いが込められています。
参加者はラオス、タイ、カンボジア、韓国、日本、フランスからと様々で、HIV/AIDSやマラリア、デング熱、寄生虫といった感染症に関するトピックから保健政策、保健医療人材の教育など幅広く、様々な視点から発表されました。我がISAPHも、ラオス事務所で現在取り組んでいる寄生虫プロジェクトについて理事の浦部大策先生がポスター発表をされました。プロジェクトに興味を持たれた参加者も多く、ラオスに寄生虫が存在していること、また寄生虫の数の多さに驚きの反応が返ってきました。
私自身が興味を持ったのは、HDSS(Health and Demographic surveillance system)に関する研究発表です。途上国では人口動態を把握するのは容易ではなく、様々な方法が研究されています。地域の人口動態を正確に把握することによって、その地域の健康状態、疾患傾向、死因といった地域レベルの健康問題を追求することができ、健康状態の改善、健康増進へと寄与します。ISAPHラオスの母子保健プロジェクトで長年行われてきているモバイルクリニックにも当てはまります。妊産婦、新生児を正確に細かに把握することが、異常の早期発見や継続フォローへとつながり、妊産婦死亡や新生児死亡の減少に大きく関与していると言えます。
今回の保健フォーラムを通して、ラオス・東南アジアにおける疾患、また途上国の抱える保健医療問題を様々な視点から知ることができました。また、ラオスを拠点に研究や国際協力活動をされている参加者との貴重な交流の場ともなりました。参加させていただき、ありがとうございました。今後のラオスの保健医療の発展を願い、私自身もISAPHでの活動にお役に立てるよう頑張って参りたいと思います。
ISAPH LAOS 田川 薫
オープニングスピーチ
ポスターディスカッションの様子