ラオス サイブートン郡病院支援 5Sアワードのご報告

ISAPHラオス事務所は2017年6月から、母子保健事業の一環として、カムアン県サイブートン郡で郡病院母子保健サービス向上支援活動に取り組んできましたが、今回はこの活動の1年の節目に実施した5Sアワードについてご報告したいと思います。

ISAPHはこの一年間、5S活動(注1)を通じて、郡病院職員が自分の科を自分たちの力で改善するための後方支援を実施してきました。これまでの支援としては、ラオ・ルクセンブルクとの援助協調による他郡病院へのスタディーツアーの実施、5S委員会の設立、活動計画の策定、毎月のモニタリング・評価とリフレクションミーティングの実施、四半期ごとの外部監査の実施、5S資材の提供等の活動を実施してきました。その間、郡病院は大きな改善を見せたため、彼らの努力を称えるとともに、病院改善の意欲を引き続き維持・増大させるためにも、一年間の5S活動において継続的な努力により顕著な改善をみせた優秀科を表彰することにしました。

当日は、まず各科がこの一年間でどのような改善を見せたのかをビフォー&アフターの画像を見せながら説明し、その後、優秀3科の発表を行いました。晴れて上位3位に選ばれたのは、1位:産科、2位:妊産婦健診室/母子保健事務所、3位:手術室で、これらの科には表彰状と共に副賞の時計が贈られました。また、引き続き病院改善に全員一丸となって取り組む決意を新たに、参加者全員に5S活動の際に着用する5Sポロシャツを贈呈しました。その後は各科に分かれ、11月上旬に予定している次回の外部監査までに改善する約束事を話し合い、それを用紙に書いて各科に掲示することにしました。

病院環境・医療サービス改善のこのような活動は日々の小さな努力の積み重ねであり、大変地道な活動ではありますが、この活動により医療従事者がオーナーシップをもって各科の改善に取り組むようになり、医療従事者としての意識の変化が目に見える形で現れるようになってきました。その変化を感じたのか、郡病院を訪れる患者数も増加し、「病院がきれいになって嬉しい」という声があがっています。

今後については、援助協調によりこの活動を一緒に実施してきたラオ・ルクセンブルクが2019年度からサイブートン郡病院での活動を正式に開始することを決定したため、郡病院職員の病院改善にかける意欲を継続したまま、ラオ・ルクセンブルクにいい形でバトンを渡せるよう、引き続きISAPHとして彼らの自助努力を引き出す後方支援活動を継続していく予定です。

(注1) 5Sとは「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」の5つの頭文字を取った言葉。日本で生まれた概念であり、もともとは製造業の職場環境の維持改善のために用いられてきた。この活動により、単に職場環境を美しく保つだけでなく、仕事に対する意識やモチベーションを高めたり、仕事の効率をアップしたり、コストを削減したりなど、さまざまな効果が期待できるため、近年では製造業以外にも様々な企業や組織、病院などが5Sを導入している。

ISAPH LAOS 木村 江里子

スタッフID・患者用ナンバーカードの導入

優秀3科への表彰状・副賞の贈呈

5Sポロシャツを着て郡病院職員と記念撮影