マラウイのプロジェクトでは、2016年11月8日から12月13日までの毎週火曜日に、全6回の健康教育コンテストを開催しました。ISAPHマラウイの活動の一つである母親のグループ活動において、これまで完全母乳の実施や六大食品グループ、手洗いの重要性などさまざまなトピックをピア・エデュケーションはじめ、劇や歌を作ることで母親たちは栄養や子どもの健康に関する知識・スキルを習得してきました。今回の健康教育コンテストでは、これまでの母親グループ活動の集大成として各ヘルスポストの全村・全グループを対象に、母親たちが決めたトピックで劇をするコンテストを行いましたので、報告いたします。
全6回のコンテスト参加者は約700名、70グループで、県保健局カウンターパートを招聘し、彼らと共に各ヘルスポストのHSA(Health Surveillance Assistant)と各地域の校長先生、コミュニティー開発委員会の方々、そしてISAPHスタッフが審査員を務めました。各グループのトピックはこれまで母親たちが習得してきた内容の中から選んでもらい、自分たちで劇の内容を構成し、毎週行われているグループ活動で練習したものを10分間で披露し、審査員が項目ごとに審査し、合計点で順位が決められました。審査項目は、これまでエディンゲニ各村で村長たちによって選出されたグループリーダーとボランティアが受けた健康教育研修の「コミュニティーに劇を通して何かを発信、伝えるときに必要なこと」から作成されました。例えば、聴衆に向けられた劇か否か(ターゲットを考えた設定になっているかどうか)、ボディーランゲージを使用しているかどうか、メッセージ性は充分かどうかなどです。
参加した母親グループは劇のテーマに合わせた思い思いの衣装を着て、栄養に関することや子どもの病気のときの対処、手洗いの重要性、成長モニタリングへの参加の重要性などの劇を披露しました。ときには観衆から大きな拍手や歓声が聞こえ、イベントは大いに盛り上がりました。1か月以上毎週練習してきただけあって、完成度はどれも素晴らしいものでした。コンテストということで、優勝したグループから5位入賞まではグループ名を呼ばれます。入賞した母親たちは歓喜の叫びを上げ、反対に惜しくも入賞を逃した母親たちは悔しそうにしていました。どれほど真剣にイベントに向けて取り組みが行われていたか知る機会となりました。
グループ活動の成果をコンテストという形で確認できたことはISAPHとして有意義なことでした。また同時に、来賓として参加した村長やコミュニティー委員会、近隣の小学校教諭にも、母親たちがどのような活動をしていて、地域社会にどれほど貢献しているのか知っていただけた貴重な機会となりました。子どもが健やかに育っていくためには、母親だけでなく子どもを取り巻く環境、子どもの周りにいる人たちの理解や支えが必要だと改めて認識してくれたと思います。この場を借りて、参加者の皆様、イベントを盛り上げてくれたスタッフの皆様に感謝の意を申し上げます。
ISAPH Malawi 朴 正美
劇のひとコマ
健康教育コンテスト会場
優勝に喜ぶ母親たち