プロジェクト調整員として2年8ヶ月ほど、ラオスで母子保健プロジェクトに携わらせていただき、2017年2月に帰国しました。振り返ってみると、かねてから希望だった地域住民と直接関わる活動に携わることができ、また私の在任中はISAPHが10年間行ってきたセバンファイ郡での活動を終え、新たな対象地域であるサイブートン郡に活動の場を移したので、プロジェクトの節目の時期に関わることができたことを嬉しく思っています。そして、これは私にとって貴重な経験となりました。その一方で、以前私は青年海外協力隊としてラオスで活動をしていましたが、協力隊とは違った視点で物事を考えなければならないこともあり、1つのプロジェクトを進めていく難しさを実感しました。
セバンファイ郡での活動では、私はプロジェクトの終盤から携わっており、ISAPH主導から郡保健局主導へと活動の主体を移行しました。そのため彼らが自分たちで保健活動が実施できているかなどのフォローアップやプロジェクトの結果・成果の評価、今後の活動に活かすため課題等を把握することなどに取り組みました。その中でISAPHの活動の主体となった村でのモバイルクリニック活動では、モバイルクリニックチームの連帯感が見られ、住民が笑顔で活動に参加する様子を見ていると、ISAPHの活動を理解しその重要性も認識してくれていて、ISAPHが受け入れられていると感じることができました。それと並行して、新規プロジェクトに向けての調査や新規MOU(了解覚書)締結などの業務も行ってきました。現在はサイブートン郡での新規プロジェクトが始動しています。プロジェクトの初期段階で問題は山積していますが、それ以外にも彼らの文化、環境や社会にも目を向けてラオスの人々と共に活動を進めることが大切なのではと感じています。これまでラオスの人々と共に母子保健活動に携わってきましたが、現場で活動してきた中でラオスの現状を目の当たりにし、問題解決にはどのような方法が効果的なのかを常に考えさせられる日々でした。また、文化や言葉の異なる現地人と仕事をすることは、仕事に対する考え方も異なり容易ではありません。しかしお互い異なるからこそ、彼らから学ぶことも多かったです。コミュニケーションは大切ですし、現地人と共に活動を進めていくには彼らを理解し、彼らのペースに合わせることも大切です。そして彼らを理解するためには色々な意味で「現地になじむ」、これに尽きると思っています。このように国際協力について色々と考える機会ともなり、私自身得られたものは多く、ラオス人と共に成長できた2年8ヶ月となりました。
最後になりますが、これまでご指導・ご支援くださいました皆様、並びにISAPHへのご支援・ご寄付をいただきました皆様に心よりお礼申し上げます。
ISAPH LAOS 赤羽 由香
ヘルスセンター職員と村の住民との記念写真
(セバンファイ郡にて)
健康教育の様子(サイブートン郡にて)
ラオス事務所スタッフ及び県保健局カウンターパートと