ISAPHは規模の小さなNGOですが、ラオス・マラウイのどちらでも現地政府から高く評価されています。その理由は、国全体に関わる課題を明らかにしたり、政策につながるような情報を提供しているから。
2006年、私たちがラオスでの活動を始めてすぐに非常に高い乳児死亡が起きている地域に出会いました。バーバールオートプシーなどの手法を駆使し、その死亡が「ビタミンB1欠乏」によって引き起こされているかもしれないと予測を立てました。
研究チームを立ち上げ、母親の母乳と血液を検査し、体内のビタミンB1が正常よりも低いことを発見。現地政府にも、ビタミンB1欠乏のデータを示し、対策が必要であることを伝え、サプリメントの配布を支援しました。
現場の活動から得られたリサーチクエスチョンから、学術的な研究につなげ、エビデンスに基づいたそれらの結果を政策に反映する。
現場と離れた研究や、孤立した現場では、よりよい政策にはつながりません。
「現場」と「研究」と「政策」この三つが適切に連携することで、私たちのような小さな組織でも、国全体に裨益する成果となることを示しました。
これが私たちの「科学的視点」の原点です。
もしよかったら、その時の論文もお読みください。
ISAPHの職員は、公衆衛生修士や公共政策修士など修士号を取得した研究者が在籍しています。
これらの職員を中心として、ISAPHでは研究活動を実施しています。
ISAPHの母体である雪の聖母会には「聖マリア研究センター」が設置されています。
研究を実施するには、倫理審査や専門的な支援が必要になりますから、「聖マリア研究センター」は私たちの研究を支援してくれる大切なサポーターです。
その他にも、大学と連携して「共同研究」を実施することもあります。
ISAPHだけでは実施が難しい研究は、研究協力者として支援者側に回ることも良くあります。
色々な連携方法がありますので、ご興味のある方は、是非「問い合わせ」からご連絡ください。
<マラウイ>
研究題目: マラウイ農村部における食物禁忌と乳幼児の発育阻害:健康人類学的考察(共同研究)
研究責任者:佐藤美穂(長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科)
<ラオス>
研究題目: 昆虫食文化圏における昆虫に対する食認知および摂食動機の解明
研究責任者:佐藤優(雪の聖母会 聖マリア研究センター)
International Support and Partnership for Health
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