寄生虫検査専門家
今年に入り1月に水の専門家、2月にプロジェクト管理の専門家に協力して頂き、その第3番目の専門家として聖マリア病院の山崎裕章氏に寄生虫検査と技術指導をお願いしました。 山崎氏には4月19日(日)から5月1日(金)までの13日間、生き生き健康村づくりプロジェクト(以下プロジェクト)の基礎調査の一環として、腸管寄生虫の現状調査を実施していただきました。また今後、腸管寄生虫の継続調査が必要なことから、郡保健局や保健センターの職員に対し検査技術指導が行われました。活動の詳細は以下の通りです。
- 技術指導
検査を行う前に、郡病院および保健センター職員に対し寄生虫検査技術指導。検査技師だけではなく、医師や看護師も参加。技術指導は4月22日~24日の3日間にわたって行われ、寄生虫検査法のKato-Katz法が指導されました。
- 寄生虫検査の実施
ISAPH活動地域の中のセバンファイ郡シーブンフアン地区ブンフアナー村の3集落を対象地区とし、母子33組66名に対し検便の提出をお願いしました。検便が提出されたのは、検査数53名(子供27名、母親26名)でした。検査の結果、53名中、何らかの寄生虫に感染していた人は33名(62.3%)で、検出された寄生虫は肝吸虫(32.1%、母親のみでは64.3%)、回虫(10.7%)、鉤虫(26.8%)、鞭虫(7.1%)、条虫(5.4%)でした。
- 結果報告
- 県及び郡保健局
- 検体提出者
郡保健局と技術指導参加者に結果の報告会を行い、報告会終了後ISAPHプロジェクト、郡保健局から技術指導受講者に修了書を授与しました。
検体提出者には寄生虫のライフサイクルについて説明を行い、特に多く認められた肝吸虫、回虫、鉤虫については、感染予防のポイントを参加型で確認しました。
- 投薬
肝吸虫と条虫以外の寄生虫が確認された母子には、郡病院によりメベンダゾールが投与されました。肝吸虫と条虫に関しては、プラジカンテルを投与することから、肝吸虫感染による肝機能障害をさらに悪化させることを避けるために、肝吸虫感染者への投薬は後日改めて郡病院により実施されることになりました。また、条虫が確認された人も同日に投薬されることになりました。
指導中の山崎氏(右うしろ)
ISAPH LAOS