JICA草の根技術協力活動事業の専門家派遣活動 その4

プロジェクト管理及び教育教材専門家

JICA草の根技術協力事業(以下「JICA草の根事業」)の生き生き健康村づくりプロジェクトの支援のため、7月26日から8月8日までの2週間、ラオスに派遣されました。今回は、教育教材作成の推進と野田基金による研修センター建設の進捗確認が主な活動です。

 まず、研修センター建設についてです。故野田理事のご遺族よりご寄付を頂きました。故野田理事は、生前聖マリア病院とISAPHの連携で実施されている初期研修医のフィールド研修などの人材育成活動を高く評価されていました。その故人の遺志を継ぎ、ISAPHの人材育成活動のための小規模な研修センターの建設を計画しています。今回は関係機関との会合を行い、同建設に当たり、監督強化のため建設委員会を設けることが決定しました。着工は12月以降となります。

教育教材作成については、JICA草の根事業では栄養・衛生の健康教育が重要な柱です。しかしながら、ラオスでの保健教育手法は一般的に、対象者への理解を高めるための創意工夫がなく、画一的で効果的なものとは言えません。教育レベルの低い者が多い村の住民への保健教育は、分かり易く、楽しく学べるような工夫が大切であると考え、ラオス保健省、カムアン県保健局、郡保健局関係者に教材作成の重要性を説き、今後共同で教材開発を進めることで合意を得ました。今回持参した教材は、日本の幼児教育などの現場で利用されているパネルシアターです。パネルシアターとは、歌やお話を楽しむ、貼り絵のお芝居のようなもので、最近では海外でも教材として使用されています。幸い今回の教材作成に当たり、パネルシアターの教材研究を推進している東京の道灌山学園保育福祉専門学校にご協力頂きました。

現地では日本での実演と違い、住民保健活動の現場で段取りを調整しながらの実演で、言葉の問題もあり、通訳を交えての保健教育実演でしたから、非常に不安でした。しかし、開始するとそれまでがやがやと騒がしかった状況から静かになり、パネルシアターに見入るお母さんや子供達の反応に安堵しました。興味、関心を持たせる保健教育活動にひとつ近づいた思いがします。後は、現場の努力に期待致します。では、今後ともISAPHの活動にご支援、ご協力をお願い致します。

パネルシアター中(磯氏向かって左)

聖マリア病院東京事務所
ISAPH事務局担当 磯 東一郎