こんにちは、ISAPH事務局の安東です。いつもISAPHの事業に多大なご支援をいただきありがとうございます。
2023年度にiサイクル様のご寄付により実施しました支援活動についてご報告致します。寄付金は、ラオスにおける地域母子保健活動を通して、農村部に暮らす貧困家庭の母子の治療および粉ミルクに係る費用の支援に使用させていただきました。
iサイクル寄付金運用(2023年度)報告
①低出生体重児(双子)支援
- 氏 名:カムちゃん(女児)およびクーンちゃん(女児)
- 生年月日:2023年10月21日
- 住 所:ナノック村
- 支援金額:LAK 3,074,000 (約22,379円 ※円換算:JICA統制レート2024年3月)
- 支援内訳:粉ミルク、オムツ代、入院期間中の付き添い家族の食事支援、埋葬費、交通費
- 支援期間:2023年10月21日~11月6日 終了
- 支援理由と経過:活動地の妊婦が2023年10月21日に双子の女児を出産しました。在胎週数30週であったことから、出生時の体重はカムちゃん1,250グラム、クーンちゃん1,000グラムであり、命の危険が迫っていました。郡病院の職員は両親に対して、治療環境の整っている県病院への搬送を打診しましたが、両親は子どもの命は助けたいが、入院中の付き添い家族の食事に係る費用を賄うお金がないため、搬送は控えるという反応でした。そこで、子どもの命を助けたいという両親の気持ちを尊重して、入院加療にかかる費用のうち、家族が負担できない部分について、iサイクル寄付金を運用してISAPHが支援することにしました。県病院新生児集中治療室にて入院加療しましたが、10月23日、双子のうち、1人(クーンちゃん)が息を引き取りました。また、11月5日、もう一人のカムちゃんも亡くなりました。
②治療費(帝王切開)/粉ミルク支援
- 氏 名:フォータくん(男児)およびサイファくん(男児)
- 生年月日:2024年1月20日
- 住 所:ナノーイドン村
- 支援金額:LAK 2,878,000 (約20,952円 ※円換算:JICA統制レート2024年3月)
- 支援内訳:帝王切開に係る費用、入院期間中の付き添い家族の食事支援、粉ミルク、交通費
- 支援期間:2024年1月20日~(支援継続中)
- 支援理由と経過:活動地の妊婦が双子を妊娠し、県病院での帝王切開の適応となったが、妊婦は貧困世帯ゆえに入院中の食費を準備することができないことを理由に、郡病院でハイリスクな自然分娩を選択しようとしました。母子の生命が優先と思われ、郡病院と本人と話し合い、県病院での入院加療にかかる費用のうち、家族が負担できない部分について、iサイクル寄付金を運用してISAPHが支援することを合意しました。予定帝王切開後、無事に双子の男児(在胎週数37週)を出産しました。出生時の体重はフォータくん、2,100グラム、サイファくん、2,500グラムでした。産後の母乳の量が十分ではなかったため、母乳との混合栄養という条件のもと、粉ミルク支援(2箱/児月)を開始しました。その後、体重は順調に増加していることをモニタリングしています。
フォータくんの成長曲線
サイファくんの成長曲線
フォータくん(生後2日目)
サイファくん(生後2日目)
生後2週間
生後3週間
生後4週間
生後2ヶ月①
生後2ヶ月②
iサイクル寄付金の受領(2023年度)と運用計画(2024年度)
iサイクル寄付金(2023年度)の受領
iサイクル坂西先生より、2023年度寄付金として65,000円を受領する予定です。日頃からペットボトルキャップ集めやキャップ仕分け作業にご協力いただいている皆様に心から感謝申し上げます。今後も、ご支援いただいている方々とマラウイ・ラオスの人々をつなぐ橋渡し・交流の機会を作っていければと考えています。2023年度寄付金は、下記の通り、マラウイ・ラオス両国にて運用を計画しております。
iサイクル寄付金運用計画(2024年度)
(1)マラウイ
① 住民によるヘルスポスト建設支援
(2) ラオス
① 貧困者への入院生活支援や粉ミルク/卵支援
② 住民自治会による保健活動関連施設の建設支援
③ 村のボランティア活動用教材支援など