2016年12月4日(日)にISAPHが福岡県久留米市において開催した国際協力セミナーについてご報告いたします。「開発途上国における母子の栄養改善活動」と題しました同セミナーですが、社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院および独立行政法人国際協力機構(JICA)との共催により実現しました(於:久留米シティプラザ)。また、マラウイ国から同国保健省小児疾患統合管理課長のンソナ氏を招聘し、現地の様子について話をしていただきました。今回のセミナー開催にお力添えをいただきました皆様へ感謝申し上げます。
さて、当日は、ISAPH理事長の挨拶に始まり、ラオス国における活動紹介、ンソナ氏による講演「マラウイ国の小児保健政策と栄養」、マラウイ国でJICAとともに実施した「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」の報告、ISAPHによる今後の活動についての紹介、そして質疑応答へと続きました。
セミナーへ参加した方からは「スライドにそった話でわかりやすかった」「短時間に皆様お話をまとめられていてわかりやすかった」「発展途上国の健康に関する状況が少し理解できた」「現地の状況とISAPHの活動がわかりました。活動メンバーの苦労の成果が徐々に上がってきていて、素晴らしいと思います。何らかの形で協力したいと思いました」といった感想をいただきました。このようなコメントは大変励みになりますし、今後、今回のようにISAPHの活動について広く紹介するとともに、日頃からISAPHの活動を応援してくださっている皆様に対するご報告の機会を増やしていくことができればと感じました。
また、セミナーという形態に限らず、当団体の活動について更に多くの方々に知っていただく機会を増やしていく事ができればとも考えています。今回、「具体的な支援内容をもっと聞きたかった」と言った声も寄せられました。様々に異なる職業や専門性・興味の対象を持った方々に対して、限られた時間の中で一律にお話をするというのはなかなか難しい事です。そこで、むしろ、内容を変えながら場所を変えながら、様々な方に対してお話をする機会を増やしていくことができればと考えています。
ISAPHでは今後、保健医療分野に限らず、様々な方面と協働していく必要を感じています。当団体は途上国の栄養問題、特に母子の栄養が不足しているという問題に取り組んでいます。栄養改善にはマルチセクトラルな取り組みが必要であると言われています。すなわち、保健医療サービスの改善並びに栄養・衛生に関する教育の実施といった、ISAPHがこれまでに実施してきた保健医療分野の協力のみではなく、農業・畜産・収入向上・教育等、他の分野を取り込んでいく必要があります。もっとも、これは口で言うほどに簡単ではありませんので、うまくコーディネートしていく必要があります。そのような意味で、こちらから情報発信を行うとともに、様々な方とお話をし、アイデアを得る機会を作っていくことができればと考えています。皆様、引き続きご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。