JICA草の根技術協力事業の採択内定を受けたマラウイ栄養改善プロジェクト
この度、JICA(独立行政法人国際協力機構)草の根技術協力事業に応募し、我々ISAPHの企画したマラウイ共和国での3年間約5,000万円の栄養改善プロジェクトが採択内定となりました。アフリカという地での聖マリア病院とISAPHの合同プロジェクトです。その概要について簡単にご紹介させて頂きます。
マラウイはアフリカ大陸の南部に位置する南北に細長い国で、人口は約1,000万人。特に目立った資源は無く、産業も発達していないため、世界でも最貧国の一つに留まっています。アフリカの多くの地域の例に漏れず、マラリアやエイズ、結核など多くの感染症が流行しています。また、乳児の栄養不良の問題も大きく、5歳未満の幼児の半数が発育不良や発育停止状態にあり、それが様々な感染症の背景にもなっています。結局、貧困、感染症、栄養不良という要素が混じりあって、乳幼児死亡率などの保健指標は厳しいものになっています。
この3つの要素のうち、栄養不良について問題発生の状況を年齢別に見ると、乳児から幼児へ、生後6カ月から2歳に至る食事内容が母乳から離乳食、固形食に移行していく時期に急激に問題が大きくなっています。このことは、現行の乳幼児の食事習慣に問題があり、バランスの取れた栄養摂取ができていない事を示唆するものと考えられます。そこでISAPHは、乳幼児の食事習慣への介入や栄養教育によりこの年齢の乳児の栄養摂取バランスを改善し、その結果栄養不良の改善を図ることを目的とした栄養改善プロジェクトを企画しました。
ISAPHの設立母体である聖マリア病院はこれまで、1990年代のJICA公衆衛生プロジェクトやそれに引き続く保健医療の開発調査に関わってきましたし、また、当院職員の浄財を使ってムジンゲ村でのヘルスセンター建設にも協力してきました。その経験を、マラウイの子ども達の健康改善に繋げていければ幸いです。皆様のご支援をお願い致します。
聖マリア病院国際事業部部長・ISAPH理事 浦部 大策