7月の満月の日から仏教僧は一つの寺に留まって、修業しなくてはならない。それをブン・カオパンサー(日本語では雨安居入り)という。そして、そこから3か月に及んだ修業が明けるのが、10月の満月だ。これをブン・オークパンサー(日本語で雨安居明け)という。このブン・オークパンサーには盛大な祭りが各地で行われる。ちなみに、3か月の修業期間は、仏教徒は結婚してはいけないと言う。よってこれからが、ラオス人の結婚シーズン到来である。
この日の托鉢は盛大に行われるらしいが、見過ごした。(普通の托鉢は、毎朝見ることが出来る。人々が早朝に僧侶の為に食事を用意して、道沿いに座って待っている。僧侶は列をなしてその食事を受け取り、お祈りをして帰る)
街中は、数日前から屋台の準備に追われている。日本の祭りと同じような光景だ。このブン・オークパンサーのなかでも、人々が熱中するのがメコン河で行われるボートレースだ。村や職場ごとにチームが編成される。私もこの時間に合わせて街中に出てみた。いつものタケク市内と違う…すごい人だ。この街以外からもたくさん人が来ているのだろう。さすがカムアン県県庁所在地!先ずはメコン河沿いにあるお寺を目指すも、なかなかたどり着けない…行く気持ちが失せるほどの人ごみに負けた。数日前から、お供え物や多くの飾り付がされていたお寺。さぞかし見応えがあったことだろう。
メコン河沿いの場所は、全て屋台になっている。しかし、わずかなスペースを見つけてボートレースのスタートを待つ。アナウンスがスタートを知らせるとともに、人々が熱狂して応援を始める。次々と人が河沿いに寄ってくる。慌てて写真を撮るも、かなり距離がある。ゴール方面を見ることが出来なかった。まあ、勝敗を知ったところで何もないわけだが。やはりラオスでもスポーツは人々を熱狂させることを知った。
この祭りで、本当に楽しそうなラオス人を多く見ることが出来た。しかし、我々が活動している村々からは、いったい何人の人が祭りを楽しみにタケクまで来ることが出来ただろうか。一番近い村まで約40キロ、近そうで遠いタケクとの距離は、貧富の差でもあるようだ。そんなことを感じたブン・オークパンサーであった。
ISAPH LAOS 福山 修次
平日の托鉢の様子
混みあう露店
白熱するボートレース(対岸はタイ)