2019/9/3

マラウイ スタディツアー

ISAPH 事務局

2019年8月17日~24日に、ISAPHマラウイ事務所にて溝下遼太郎氏のスタディツアーの受け入れをいたしました。感想文を頂戴しましたので、ここにご紹介いたします。

                              

ISAPH マラウイスタディーツアー 感想文   
早稲田大学人間科学部健康福祉科学科4年 溝下 遼太郎

成長モニタリングの時に行われたHSAによる健
康講話。会場に入りきらないほどの母子の数

調理実習の様子。
ISAPHスタッフ指導のもと、お好み焼きを調理

クラスターリーダーによる読み聞かせ
(peer to peer)

この度、ISAPHの実施する「母と子の『最初の1000日』に配慮したコミュニティー栄養改善プロジェクト」を見学させて頂きました。栄養改善プロジェクトは保健栄養分野・農業分野の2つに分かれており、5日間で見学した内容はスタッフミーティングに始まり、成長モニタリング(身体検査・健康教育)、低体重児家庭に対する家庭訪問、peer to peer(世帯ごとに行う健康教育)、調理実習、農園・家畜見学、クラスターリーダー研修でした。

ISAPHスタッフミーティングでは、現地スタッフ一人一人が意見をぶつけ、活発な議論が交わされ、刺激を受けました。成長モニタリングでは地域の健康問題が浮き彫りになっており、様々な視点から見ることができました。HSA(Health Surveillance Assistant)がマラリアの診断からデータ収集まで日本の医者さながらに行っていることは驚きでした。身体検査後の住民を集めての健康講話では歌を使うなどの工夫が見られ、健康情報源としての機能が果たされていましたが、住民の聞く態度から、それが実践へと繋がっているのかどうかは疑問でした。peer to peerでは、読み聞かせの方法に焦点が当てられていて一方的に知識を教えるだけのone wayのコミュニケーションでは効果的な行動変容には至らず、現地のクラスターリーダー、住民レベルにあった方法を追求するという面はとても興味深かったです。乳幼児の適正体重の時系列グラフを読むことができない母親がほとんどの中、いかにして栄養補給の重要性を理解させるかは、マラウイの地域のみならず開発途上国の大きな栄養課題であると感じました。

今回の活動見学において最も印象的だったことは、ISAPH現地スタッフ、HSA、保健ボランティアの活動に対する熱心な取り組みです。ムジンバ県病院には医者が1人しかおらず、住民に対して医療従事者が足りていない、また5歳未満児の発達阻害が4割近くと深刻な状況でした。逼迫した状況の中、現地スタッフは母親に知識を教え、行動を変容させていくために懸命に一人一人と向き合う姿がそこにはありました。HSAはどの国でもドロップアウトしやすいと言われている中、マラウイ人スタッフの士気の高さには驚くものがあると、同行した松葉剛先生もおっしゃっていました。

草の根の事業を間近で見学させて頂き、途上国の栄養・健康課題の現状とそれに対するISAPHの取り組みを見て、文字や写真から見聞きした国際協力ではわからない、途上国の健康問題の現実、スタッフの取り組みを目だけでなく、心と身体で感じることができたことが見学での一番の収穫だと考えています。将来国際協力をしたいと考える自分にとってはこれ以上ない勉強の機会となりました。

個人の参加であるにも関わらず、同行させて頂きご教授してくださった松葉剛先生、草間かおる先生、渡航にあたり調整して頂いたISAPH東京事務所の皆様、現地でお世話になったISAPHマラウイ事務所の皆様、本当にありがとうございました。