2017/4/18

ラオス 健康教育能力強化研修を実施

ISAPH LAOS 佐藤 優 

伝える力を育み、実践する機会を提供する

参加者19名のうち、7名は若手(ボランティア)
職員でした

若手職員とベテラン職員がチームとなって取り組んだ
演習・実習

実際に住民の前に立ち、緊張して表情が
硬くなってしまう場面も

「子どもが病気にならないよう気を付けたい」と思ったとき、みなさんであればどのようにしてその情報を入手されるでしょうか。私たちが活動しているラオス国カムアン県サイブートン郡の村においては、住民が同じような状況に置かれた場合、頼ることができる情報源が非常に限られています。インターネットやテレビは一部の家庭にしかなく、本があっても字が読めない人もいます。病院までは距離が遠く、もし費用が必要になる場合は、それらを支払うだけの余裕がありません。ですから、サイブートン郡保健局・病院の職員が定期的に村を訪れて保健サービスを提供するアウトリーチ活動では、住民への健康教育は欠かせないサービスの一つとして位置づけられています。

しかし残念なことに、ISAPHが支援に入った段階では、郡保健局職員による健康教育は定期的に、またしっかりと目標を立てて開催されていませんでした。原因は色々とありますが、その一つには、若手(ボランティア)職員の存在があります。ラオスでは、看護学校等を卒業した後、まず初めに郡病院やヘルスセンター(職員数3~5名のクリニックのようなもの)で実務経験を積まなくてはなりません。彼らは、先輩からOJT(On the Job Training)を通して現場の中で色々と技術を身に着けていきますが、しばらくすると、職員数の少なさからどんどんと仕事を任されていきます。中には、自信をもって健康教育を実施できる技術を身につける機会に恵まれないまま、業務に従事している若手職員も存在します。

このような現状を前に、ISAPHは、サイブートン郡保健局・病院で働くすべての職員が、住民への健康教育を実施する力を身につけるため「健康教育能力強化研修」を開催しました。郡保健局を管理・監督する役割である、カムアン県保健局より2名の講師を派遣して、4日間という長めのスケジュールで、一人ひとりが十分に内容を理解できるように計画しました。本研修は講義・演習・実習で構成され、講義では、健康教育の話し手として、聞き手が情報を理解できるように伝えるための考え方、心構え、コミュニケーション技術や道具・教材の使い方等が説明されました。健康教育の最終的な目標は、住民がより健康的な生活スタイルを身につけることですから、住民の生活をしっかりと理解する必要があります。また教育テーマは、常に聞き手に興味のある内容ばかりではないですから、話し手は、これらの知識・技術を活用しつつ適切な方法を選ばなくてはなりません。演習・実習では、若手職員とベテラン職員が混ざるようにチームを分け、研修内での職員間の相互作用も狙いとしました。教材やテーマは講師から振り分け、自分が得意な方法だけに偏らないように工夫されていました。

もちろん、この度の研修で学んだことは入口にすぎず、今後は実践することによって学んだ知識・技術をさらに精錬していくことが重要です。そのため、研修のような機会だけでなく、それらの学びを日々の業務の中で利用していけるかが併せて大切となってきます。ISAPHでは、今回のような研修の開催に加えて、アウトリーチ活動が毎月必ず実施されるようにも取り組んでいます。そうすることで、今回の学びが本当の意味で彼ら自身のものとなるように引き続き支援していきたいと思っています。