2016/12/27

ラオス MOU6ヵ月活動報告会を開催

ISAPH LAOS 佐藤 優 

仲間の声に耳を傾けることの重要性

お互いの意見を発言する場では、
緊張した雰囲気になる場合もあります

会議の後のインフォーマルな食事会も、
お互いを知り合う場として重要です

ISAPHラオス事務所では半年に一度、現地の活動を相手国の人々に還元し、課題や解決策を共に考える手段として、活動報告会を開催しています。11月には、今年4月からスタートした新しい活動の進捗と今後の課題について議論を行いました。県・郡レベルの保健行政スタッフに加えて、各村からも保健ボランティアなどのリーダーたちが参加しました。今日は、この報告会を通して改めて考えさせられたことついてお話ししたいと思います。

今回の議論の一つとして「手当(日当)」について焦点が当たりました。ISAPHの活動においては、村長や保健ボランティアなどのリーダーたちの協力が欠かせません。成長モニタリングに参加するように住民に声をかけたり、活動の日時を知らせたり、住民に最も近い存在であるからこそできることがあります。しかし、一部のリーダーたちから、現在支給されている「手当」では、活動に協力するのが難しいと声があがったのです。

この発言に対して行政側からは、「保健サービスに参加することは住民のためであるので、自分たちの村の人々の健康を守ることを目標に頑張ってほしい」と、「手当」の額で活動の是非を判断しないでほしいというコメントがありました。確かに、一時的にお金を渡して働いてもらうことは簡単ですが、それでリーダーたちの活動が活発になったとしても、長続きするものではないかもしれません。少し専門的に言うと、「手当」のような金銭的なインセンティブを外発的動機付けに利用している場合、そのインセンティブが無くなってしまうと、お金をもらわず活動をしていた頃よりも不活発になる、アンダーマイニング効果が発現してしまうと言われています。

しかし、ここで一歩立ち止まってみたいと思います。私たちは、「志」を高らかに掲げ、「住民のため」という伝家の宝刀で一刀してしまって良いのでしょうか。この要望からどのようなことを考えていくべきでしょうか。彼らがなぜそのような要望を抱くに至ったのでしょうか。もしかすると、彼らの不満には活動に協力することで「住民の役に立っている」という実感を得ることができず、その結果、手当に着目することになっているのかもしれません。そうすると、彼らが本当に要求しているのは金銭ではなく、活動に対する「やりがい」なのではないでしょうか。確かに、今はプロジェクトの初期段階で、リーダーたちが活動に協力して良かったと思える成果を見せることができていません。ですから、そのような状況の中で発せられた「手当の額が低い」という要望には、文字通りの意味だけではなく、彼ら自身も気づいていないメッセージが込められていることを考えて耳を傾ける必要があります。

この話題は一つの例ですが、活動報告会は各々が考えている問題点や要望を投げかけるための良い機会です。一方で、得られた発言をどのように受け止めるか、一緒に活動している仲間の内なる声をどう理解していくかも非常に重要で、そのためには相手をもっと知る必要があるといつも考えさせられます。