寄生虫対策でのNPO法人じゃっどとの連携
6月のラオス訪問には、健康教育セミナーへの参加の他に、もう一つ重要な課題があった。それは寄生虫対策活動における小学校での健康教育の導入にかかる関係機関との調整である。
この寄生虫対策については、カムアン保健局より支援要請を受け、2013年4月からセバンファイ郡シーブンフアン地区を対象に寄生虫対策プロジェクトを実施している。今回の活動では、全住民を対象に寄生虫の害と予防について教育を行う計画である。そのため児童への教育も重要と考えているが、児童は学校があるため平日の健康教育には参加できない。そのため学校での寄生虫教育を含めた健康教育の実施を計画した。学校での健康教育には、ラオスにおいてこれまで20年の活動経験があるNPO法人じゃっどの協力を得て、実施する計画である。NPO法人じゃっどは、聖母の家のセンター長である帖佐先生が設立当初から関わっているNPO法人であることから、帖佐先生にも今回のラオス出張に同行して頂いた他、じゃっどの活動で帖佐先生らと長年ラオスで活動を共に実施してきたDr.コンサップ(現ラオス国立公衆衛生研究所長)とソムチット夫人(元保健省母子保健部長)にも同行頂き、関係機関への説明を行った。
今回はラオス保健省、教育省にまず説明し、実施の内諾を得て、その承認を持ってカムアン県保健局、同県教育局並びにセバンファイ郡保健局、同郡教育局に説明し、承認を得た。今回初めて訪ねた教育省初等教育部では、じゃっどの帖佐先生とDr.コンサップからこれまでの学校における健康教育活動の内容を説明し、学校での健康教育の重要性を伝えた。面会頂いた同部のシパホーン副部長もその重要性を十分理解しており、教育省においても教育現場での健康教育強化のため、今後の計画として教育対象を幼稚園から高校までに拡大し実施する計画があることを副部長が説明した。
一方保健省では、これまでのISAPHと聖マリア病院の合同による母子保健プロジェクトを高く評価しており、寄生虫対策についても高い期待を寄せていた。特に昨年より設置された寄生虫対策課では、本年5月に聖マリア病院国際事業部の山崎氏の協力を得て実施した寄生虫感染調査報告書を提供し説明したことに対し、同課は設置後1年程度でまだ統計資料がないため、今回の詳細な調査報告に高い関心を示し、今後の活動にも期待を寄せていた。
シパホーン副部長との会談の様子
カムアン県のオダイ副知事を表敬訪問
ISAPH事務局 磯 東一郎