聖マリア学院大学スタディツアー

2022年8月29日~9月9日、聖マリア学院大学のスタディツアーの受け入れをいたしました。

COVID-19の影響により、2020年、2021年と渡航が叶わず、学生の皆様はオンラインスタディツアーにて学習を頂きましたが、今年度は渡航が叶い、約2年ぶりに現地で実施することができました。

参加いただいた学生の皆様からご報告を頂戴いたしましたので、ご紹介させていただきます。

 

ISAPH 事務局

 私がISAPHの事業地域訪問をして学んだことは、2つある。

 まず、1つ目は、村での衛生環境である。私が、郡保健局を訪問した際、患者の疾患で最も多いのは消化器症状であると学んだ。翌日村を訪問することができたので、ご家庭での衛生環境を観察させていただいた。ご家庭では沸騰させた水を飲料水として利用していたが、水は濁っており、煮沸など村人ができる範囲では、水の質を改善することが困難であり、それが消化器症状を起こす原因になっているのではないかと考えた。だが、訪問した家の奥さんは、下痢をした経験があったため、水を沸騰させて少しでも細菌を死滅させるという努力をされていた。私は、そのように「その場所でできることを見つけて行う」ことは大切なことであると改めて教えてもらった。

 2つ目は、村での母子保健活動である。郡保健局では、妊婦さんは病院に到着するまでの時間や費用がかかるため、施設分娩する人が少ないと聞いていた。そのことを踏まえ、私が訪問した家の奥さんに尋ねてみると、田んぼと畑で子供を産んだとの事だった。私は、それを聞いて、そんな場所で産むことができることに驚いたと同時に、奥さん自身不安はなかったのか、その後の体調に問題はなかったのか心配になった。また、そのような環境で産むことは不衛生であり、感染症が起こるリスクが高い状況であると考えた。また、出産時に起こりうる危険を回避することも困難であるため、環境が整ってない場でのリスクを妊婦さんに伝え、施設分娩を行うことを促していきたいと思った。

 たくさんの学びとともに、嬉しかったことがあった。それは、ホストファミリーのお母さんが、日本人が来るからと手作りのバックを準備くれていた。私は、このようにおもてなしを準備して迎えてくださったことがとても嬉しく、またこの村に来たいと思った。

私たちが訪問した優しいお母さんの家

聖マリア学院大学 奥園 舞

 私はISAPHの支援活動の1つである「健康な状態を維持するため、必要な栄養素を摂取できるようになる」、そのための昆虫食、昆虫養殖事業についてとても衝撃を受けたため、報告したい。

 まずラオス人民民主共和国の人々の栄養摂取の現状について述べていく。ラオス人民民主共和国の人々の主食はもち米であるため、カロリーは十分に摂取することができている。しかし牛乳や大豆を食べる機会が少ないことから脂質、ビタミンAが不足しており低栄養が危惧されている。実際にラオスでは年齢に対し低身長の割合が多く、これは慢性的な栄養不良を表している。そこで、脂質を多く含んだゾウムシを食することによって栄養不良の課題解決を図っている。

 実際に昆虫養殖事業についての説明を受けたところ、レジリエンスやラオスの方のパーソナリティを大事にこの事業を行っていると仰っていて感動した。ここでのレジリエンスとは冗長性を持たせることを意味し、ゾウムシを売ることができなくても養殖している家庭で食すれば脂質を補うことができ栄養摂取につながるという説明を受けた。売れなくてもメリットがあることで支援を受けたいという積極性が生まれることからレジリエンスを考慮する必要性を感じた。また1つの栄養不良という課題に対して、ラオスの方々の60%が週に1度は昆虫を食するという文化に注目した支援が昆虫養殖事業であり、現地の方の生活を尊重した支援を行うことは国際協力の最も大事なことなのではないかと私自身気づかされた。

 私はISAPHの活動の1つである昆虫養殖事業の説明や経験を通して国際協力における支援の在り方を学ぶことができた。今回フィールドスタディを通じて学んだことを、将来国際協力を行う上で生かしていきたい。また、昆虫食を実際に食べたことで昆虫食に対する嫌悪感が無くなった。私は昆虫が元々苦手で触ることもできず、最初は食べる意欲もあまり無かった。しかし、にんにくやハーブなどを用いて匂い消しを行うなど工夫をすることであんなにも美味しい食材になるとは思わなかった。昆虫食に興味を持つきっかけとなった。

聖マリア学院大学 亀本 萌々華

 今回のラオスでのスタディツアーは驚きの連続でした。

 まず、県病院と郡病院を見学させていただき、衛生環境や看護体系などに驚きました。具体的には、

 ・救急患者が屋外に設置してあるベッドに案内されること

 ・ICUに関して、日本では入室の際に防護服を着用の上でしか入ることができないことになっているが、県病院では防護服や手指消毒なしで、一般の私たちでも入室することができるということ

 ・各ベッドにナースコールはなく、患者に何かあった場合は付き添いの家族が看護師を呼びに行くこと

 ・患者の身の回りのお世話や毎回の食事を用意するのは付き添いの家族がすること

 ・付き添いの家族専用の寝床が病院の敷地内に設立されていること

 ・郡病院では、使用済みの針などの医療廃棄物をペットボトルに廃棄していたこと

以上の6つです。

 次に、昆虫食体験についてです。日本ではまだまだ罰ゲームとして扱われている昆虫食ですが、世界的には真剣に栄養食として捉えられ始めているということを知ることができました。また、ラオスの人はビタミンAや脂質が足りないということで、それを補うためにゾウムシの幼虫を育て食べることを勧めているということも知ることができました。そして今回実際にゾウムシの幼虫を調理し、食べるという貴重な体験をさせていただきました。ただ調理された後のものを食べるのではなく、ゾウムシがどのようにして育てられており、どのようにして調理するかなど食べるまでの過程を実際にみることで、食欲をそそられ、「食べてみよう!」という気持ちになりました。今後の昆虫食体験も私たちと同じような過程で実施していただきたいなと思いました。

 最後に、ヴィレッジステイについてです。村の人と密に過ごし、さまざまなお話をお聞きすることができました。アウトリーチ活動では、産後健診に同行させていただくことができ、産後3週間ほどのお母さんからお話をお聞きすることができました。顔色が悪く、下腹部痛と腰痛があり不正出血が止まらず、一度病院に行ったが適切な診察をしてもらえず鉄剤だけ渡され戻ってきたとおっしゃっていました。赤ちゃんも十分に母乳が与えられているにも関わらず体重が100g程しか増えていないという事実も知ることができました。また、私がお世話になった家庭は比較的裕福で家が二つありましたが、古い方の家は床が傾いていたり、ブラウン管テレビがあることに驚きました。

 今回ラオスで体験したことは、私にとって衝撃なことばかりで、世界観が180度変わるほどでした。人生において、これほど良い経験をすることができるのかと思うほどでした。今回体験・経験したことを家族や友人、学校の人、その他大勢の人に伝え、また今後自分がどのような看護師になりたいのかということを考える過程でも活かしていこうと思います。

ヴィレッジステイでの1日

聖マリア学院大学 古賀 天愛

 今回訪問した村では母子保健の事業の見学させていただいた。まず赤ちゃんの身体測定から見学した。寝かせて身長を測ることや、母親が赤ちゃんを抱っこして体重を測定した後に母親の体重を引いて計算するという、あまり日本と変わらない方法であった。その後に予防接種が行われていた。このときに村全体で広場のようなところに集まって健康診断を実施しており、母親同士の交流もできていることから心配事や不安ごとの相談をすることが出来ると思った。また村単位で行うことで健康診断に来てない母親がいたら村長が呼びに行くことができ、その声掛けが母子ともに救うことにつながると思った。

 他にも順番を待っている母親の母子手帳も見せていただいた。この母子手帳が日本の母子手帳を模倣していると聞いて驚いた。母子手帳の中には母親と赤ちゃんの身体記録だけでなく、何回健康診断を受けたか、病院に行く時の基準、喫煙などの禁止事項、栄養素など様々な知識も載せられていた。病院が遠かったり交通手段がなかったりなどでなかなか病院にいけない環境において、このような知識はとても大事だと思った。

 村全体での健康診断が終わった後は新生児のいる家庭を訪問した。そこでは体調が悪いが病院には行けていなかったり、赤ちゃんの服がなくて1枚の布だけが巻かれているという現状を知った。そしてその現状を知って助言などを行う際には、生活背景を知ることが大切であると思った。「体調が悪いのであれば病院に行くべき」とアドバイスをしても簡単に病院にいけないという現状に対し、例えば、家庭内で可能な対症療法をお伝えするなど、相手の生活に合ったアドバイスをすることの重要性を学んだ。

 今回村を訪問してみて道具が限られている中での健康診断の方法や病院になかなかいけない母子を援助する方法などを実際に目で見て耳で聞いて学ぶことが出来た。将来母子保健に限らず健康に関してアドバイスをするときは、対象者の生活背景を知ってそれに合った看護を提供できるように柔軟に考えたいと思った。

母子手帳

聖マリア学院大学 後藤 千夏

 今回のフィールドスタディを通して、ラオス人民民主共和国という国の良さや特徴を沢山発見することが出来た。ISAPHの方の全面的な支援により、首都と村での生活を実際に体験し、母子健康や公衆衛生についての現状を学んだ。沢山学ばせていただいた中で心に残ったことが2つある。

 1つ目は、昆虫食体験だ。ラオス人の食生活は、主食のもち米と畑で収穫できる野菜などによりカロリーは足りている。しかし脂質とビタミンAが不足している。その状況から、食べ慣れている昆虫を活かして栄養補給を図ろうと考え、昆虫食を多くの人に食べてもらうために美味しい調理方法を試行錯誤し、町で売るための昆虫を研究するという活動に感銘を受けた。実際に昆虫を調理してもらい食したところ、昆虫であることを忘れ、おかずを食べているような感覚で美味しくいただくことが出来た。栄養不足が問題であるという知らないラオスの現状があるため、少しでも多くの人に栄養のある昆虫食が浸透し、栄養不足の問題が改善できるように、私もISAPHの方の活動に参加したい。

 2つ目は、ヴィレッジステイ体験だ。自分が生まれ育ってきた環境とは全く異なる生活。一番驚いた点は、食の違いについてだ。ほぼ自給自足の生活で、動物は食用として飼い、毎日田んぼや川へ行き食料を調達する。飲水は、井戸の水をくみ上げ熱湯消毒をしたものを使用する。例え浮遊物が浮いていたとしても熱湯消毒をしたから身体に害はないという考えに驚いた。現地の人はそのような水を飲み、料理に使用することが当たり前だ。しかし身体の健康を考えると清潔な水とは言えないため、改善する必要がある。私は、その水の成分を分析し、その水をどのような工程を踏めば清潔な水に変えることが出来るのかを実験してみたいと考えていた。ラオス人の生活の中で、正しい知識を提供し小さな工夫を施すことによって改善できる点は多くあるとヴィレッジステイを通じて感じた。残りの大学生活で正しい知識を身につけた後に、ラオスの村に再び訪れて健康教育を行いたいという夢が出来た。

 今回のフィールドスタディを通して、ラオスの方と触れ合い、ラオス人の良さやパーソナリティーを知り、ラオス人の笑顔や優しさ、性格が大好きになった。また、ISAPHの方の活動を実際に拝見し、人のために一生懸命取り組まれている姿に感動した。私もいつか、人のための考え、多くの人の役に立つことが出来るように、日々の学習を大切にしていきたいと思う。

ヴィレッジステイ中に採収した食材を使用した食事

聖マリア学院大学 柴田 音羽

 今回のフィールドスタディにおいて様々な場面でサポートしてくださり有難うございました。

 今回の活動でとても印象に残っていることは村でのアウトリーチ活動です。ISAPHが地域の病院と連携し乳幼児健診や産後健診などの活動を行っており、それを自分の目で見ることが出来ました。ラオスの人にとって異国のよく知らない自分達を受け入れてくださったことや、ラオスの病院と連携しアウトリーチ活動を行うためには、ISAPHが長期間にわたりラオスの病院や村の人々と信頼関係を築き上げたからこその活動だと感じました。

村でのヴィレッジステイでお母さんのお話を聞くと、田んぼの真ん 中で子供を産んだとお聞きしとても驚きました。もしラオスに行く前の自分がこの情報だけを聞くと「何故病院に行かないんだ?」という疑問だけで学びが終わっていましたが、実際に村に行き、お話を聞かせていただいたことで、金銭の問題や移動の問題など、今起こっている状況の裏には、そうせざる得ない問題が沢山隠れているのだと今回のヴィレッジステイで学ぶことが出来ました。

 昆虫食について驚くことが多くありました。自分は昆虫食の存在として今後の食糧難のために食べるものだとしか知りませんでしたが今回の昆虫食体験を通じてラオスの人々の健康問題に対し必要な栄養素を摂取する目的もあると知ることが出来ました。また温室効果ガスのことなど栄養だけでなく環境面も考慮する多角的な考え方を知れて勉強になりました。佐伯専門家が昆虫食について、先進国のやり方ではなくラオスのやり方に合わせると仰ってあり自分達の価値観を押し付けるのではなくラオスの食習慣に合わせて習慣化するように、短期間ではなく長期間に渡り現地の人と交流し続ける姿が、看護師を目指す者として参考になりました。昆虫を触るのも抵抗がありましたが触ることも出来、食べると美味しく、昆虫食体験では驚きの連続でした。

 今回、ラオスで多く体験をさせていただきました。ISAPHの方々の協力もあり無事に終えることが出来ました。また個人的な目標である災害の面についても現地の方に聞いて頂いたり、沢山の情報を教えていただきました。本当に有り難うございました。私は、元々、国内での災害看護に興味がありましたが、ISAPHの方々の活動を身近に見させて頂いて、海外での活動にも興味を持ちました。

 今回の経験で自分にとっての将来の選択肢が増えました。これから様々なことに挑戦していこうと思います。本当にありがとうございました。

織物を見せて頂いた際の笑顔が素敵な写真です

聖マリア学院大学 星山 開

 私はビレッジステイ体験した際に自分達で食料を収穫し、ご飯を食べたことが特に強く印象に残っている。日本ではお腹がすいたら、コンビニエンスストアや自宅の冷蔵庫から食べものを簡単に得ることができるが、村の方々は自分が所有している田畑から収穫しなければならない。収穫することも簡単ではなく、険しい道を歩いてやっと食べ物を得ることができた。また、冷蔵庫もない家が多いため保存できるように魚を漬けており生活の知恵が家庭内にたくさん生かされていた。食料を得ることがこんなにも大変で日本の便利さを痛感したのと同時に、自分達で収穫してみんなでつくったラオスの料理はとてもおいしく感じた。食材を取るということは想像以上に壮絶でタケノコのトゲが手に刺さったり、写真のように稲の中を進んでいき大きな水たまりがいたるところにあったり、地面も水平でないところも多々あった。しかし、日本ではこのような体験をすることがないため、その体験が私に刺激を与えとても印象に残る経験となった。

 また、昆虫食体験ではラオスの人々は脂質やビタミンAが不足しているためゾウムシを使った昆虫食の研究が進められているとおっしゃっており、きちんと根拠に基づいた昆虫食だと知りとても興味深かった。昆虫はタンパク質が豊富だということは知っていたけれど、牛や豚と比べて二酸化炭素を排出する量も少ないと知り、地球温暖化が騒がれている今、これからもっと世界で注目されていくべきものだと考えた。日本では昆虫を食べることはないため、初めは昆虫食に対して偏見もあった。しかし、実際に食べてみるとおいしくて日本の常識が世界の常識ではないということを痛感した。日本では昆虫食は罰ゲームやゲテモノのように扱われることもあるが貴重な食材として、今後、昆虫食という考えが浸透していくように、体験した私達が昆虫食というものはどのようなものであるか報告書などで伝えていくべきであると考えた。

みんなで昼食の材料を収穫!タケノコのとりに稲の中を進んでいきました。

聖マリア学院大学 淡河 菜々

  今回のラオスへの渡航はISAPHの方々の多大なるサポートのもと成り立つものであり、様々な活動を見学させていただいた。全てが貴重な経験であったが特に印象に残った経験がある。

 サイブ―トンでの母子保健サービスに関するアウトリーチ活動見学では、村民自身の健康意識向上のために活動の工夫がされていることや、実際妊婦健診受診率や施設分娩率などの数値が改善されていることをISAPHの活動を通して感じることができた。

 中でも印象的であったのが予定されていた妊婦検診に訪れない村民に対して村長自らがバイクに乗り、参加を促しに行っていたことである。閉鎖的な村という環境での村長の影響は大きく、その村長が母子保健に対する高い意識や健康意識のもと村民に働きかけるというのはISAPHの活動への賛同がなければ成り立たないものである。それはISAPHの方々の工夫と努力の上で成り立っているものだと感じた。

 また、昆虫食体験では健康問題を解決するための手段として昆虫を食べるという解決方法が考えられていることがわかった。福岡でも昆虫食を体験できるお店ができ、以前より周知されつつある昆虫食だが私のイメージは食べることができるけれど、それも一つの経験として食べるといったような普段の食事という考えでなく、「昆虫食を食べる」というイベントのような感じ方だった。しかし佐伯専門家の説明のなかでラオスの国民は脂質とビタミンAが不足しており、それを補う手段でゾウムシの幼虫を食料として食べられる方法を考えたり、環境問題の観点から牛などほかの家畜と比べて二酸化炭素の排出が非常に少ないバッタを食べたり、と国民の特徴や栄養問題から根拠のある「選ばれた食材」としての昆虫食を体験することができた。味もとても美味しく食べやすく、食料としての普及を目指すISAPHの活動が印象的であった。また、ゾウムシの養殖を現地の人が行えるよう養殖技術を教える活動は新型コロナウイルスの影響で大きな問題となった失業率への改善や、暮らす人々自身で栄養や環境に意識をもって食べる教育的観点にも繋がっていた。

 上記の活動のみならずISAPHのすべての活動は「親和性」を重視していると感じた。その国・地域に住み、生活していく人々が何を大切にしていて何が問題で、それを解決するためには、そこの人々の特徴や考えを大切にした上で活動しなければならないのか、というのはどの国においてもどの活動においても大切なことであると感じた。

 今回の渡航は私にとって大きく、母子保健と国際協力への興味や関心が深まった大変貴重な経験となった。

笑顔が大切!!!

聖マリア学院大学 藤野 真生