はじめまして。ISAPHラオス事務所に赴任しました野田幸枝と申します。
ISAPHの活動地は首都から300㎞以上離れたカムアン県の内陸に位置する農村です。県中心地からの道路は、工場やベトナム国境へ繋がる交通の要衝を通り過ぎた途端に未舗装となり、乾季は砂埃、雨季には深い轍となります。
4月末、赴任して間もなくの頃、活動地へ向かう車窓からは雨が降るのを待ちわびた乾いた農地が見渡せました。主産業である稲作は一毛作で、余剰米による僅かな収入がある以外は安定的な収入源がなく、住民は季節ごとの食材を採取して生活しています。
ISAPHは母子を対象にした定期活動の他、栄養ボランティアの育成や食用昆虫養殖支援等を展開し、住民が自身や家族の健康のために自らの判断で適切に保健サービスを受けること、栄養バランスを考慮した食事を摂ることができる自助・互助システムの構築を目指しています。
さて、ISAPHラオス事務所があるカムアン県中心部は、フランス統治時代の建物が残る閑静な市街地です。夕刻、メコン川のほとりで空を眺めると青から朱色のグラデーションが刻々と深みを増し、夜のとばりが下りる頃には対岸の街の灯りがくっきりと望めます。川面に映る光がゆらゆらと揺れるのを眺めると、ずっと以前からここに住んでいるような気持になります。しかし実際はスタート地点を少し過ぎたばかりです。円滑に事業が展開されるよう、実直に業務に立ち向かっていく所存です。
ISAPH ラオス 野田 幸枝
栄養ボランティア研修の現場で