シンポジウム開催報告

エコ活動による社会貢献活動と国際協力シンポジウムを終えて

本年7月20日にラオス母子保健プロジェクトのラオス人カウンタ―パートを招聘し、国際協力シンポジウムを実施しました。シンポジウムのテーマは、「エコ活動による社会貢献活動と国際協力シンポジウム」です。「エコ活動と国際協力って関係あるの?」という疑問を持たれる方も多いと思いまので、ご説明します。皆さんは「iサイクル」をご存知でしょうか。このiサイクルは、「環境に配慮する心と人を思いやる心を養うこと」を目的に、聖マリア病院の職員が中心となり立ち上げた団体です。ペットボトルキャップを収集し、その売却益により国際協力活動を支援しており、私どものラオスの母子保健プロジェクトもその支援を受けています。

iサイクルはキャップ収集活動を通じ環境を大切にする心を養い、その収益金を100%国際協力団体に寄付することで、更に開発途上国での社会貢献につなげています。ISAPHのラオスプロジェクトは、支援を必要とする住民の健康や生活の向上にその資金を100%役立てています。まさにこれは「善意の輪」、「愛のサイクル」と呼べるのではないでしょうか。今回のシンポジウムはこのような視点に立ち以下の目的で実施致しました。
   1)エコ活動による環境保全の意識の向上
   2)開発途上国の保健医療事情や子どもを取り巻く状況を知り、  国際協力への理解を深める
   3)異文化に対する関心を高める

シンポジウムの前半では、iサイクルのエコ活動報告と実際に活動に携わっている関係者による活動発表およびiサイクルから支援を受けているカッサノ修道女会によるフィリピン・ブリハン地区の貧困母子支援活動について報告していただきました。後半では、ラオスの保健医療事情や保健政策、プロジェクトの活動内容や成果、そして農村部の保健医療の課題について、ラオスから来日したラオス国カムアン県保健局副局長のDr.パースック、カムアン県セバンファイ郡副保健局長のDr.サイソムワン、セバンファイ郡長のMr.ブンシィに報告していただき、更にラオスの保健医療の問題、課題について、座長の聖マリア病院国際事業部部長の浦部先生より補足説明をしていただきました。

ラオスの医療事情について講演するDr.パースック(右)と楾プロジェクトマネージャー

会場の様子

参加者は78名にのぼり、うち42名から回答いただいたアンケート結果では、満足と回答された方が36名(86%)で、「エコ活動に参加した人たちの動機が興味深く、感動した」、「現在行われている国際協力内容について知ることができたので有意義な講演だった」、「ラオスやフィリピンといった開発途上国について知ることができてよかった」といった感想を多くいただきました。またシンポジウムの継続開催を希望する声も7名の方からいただきました。その他にも、「将来国際協力に携わりたい」、「iサイクルの活動を更に広げていきたい」といった国際協力やエコ活動に参加したいという前向きな意見もいただいております。今後も私どもの活動を通じ、一般の方々に国際協力や開発途上国についての理解を深めていただけるような機会を継続的に設けたいと思います。

最後になりましたが、ご支援いただいた公益財団法人倶進会並びに聖マリア病院グループの関係者の皆様、そしてご後援下さった久留米市とJICA九州国際センターに心からお礼を申し上げます。

ISAPH事務局 磯 東一郎