マラウイ派遣レポート

マラウイ「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」に参加して

2014年10月から2015年7月までの10ヶ月間、マラウイのJICA草の根技術協力事業「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」に参加させていただきました。この度の派遣は、JOCV(青年海外協力隊)からNPO法人ISAPHに派遣されるという、少し珍しい形の派遣でした(通常JOCVは、現地組織に派遣される事が多いです)。現在JICAでは民間連携に力を入れており、その一環の派遣とのことでした。

当事業は、マラウイの北部にあるムジンバ県南部地域における5歳未満児の栄養状態の改善を目的したものです。もともと、子どもの栄養状態の改善に予防的な視点から取り組みたいと考えていたので、私がまさしく従事したかった仕事でした。プロジェクトの内容も継続性を考慮し、地域の風習や習慣に沿った、無理なく改善を促すプログラムになっており、共感が持てるものでした。また、調査(ニーズアセスメント)→計画→実行→評価→改善という枠組みがプロジェクトの中でうまく回っており、今後、活動を計画する上での勉強になりました。そして、なにより個性的なマラウィアンのお母さんたちとの触れ合いは、本当に面白かったです。

実は、私は2000年から2002年までの2年間、マラウイ南部で学校の先生をしており、今回でマラウイ滞在は2回目になります。12年ぶりのマラウイ渡航でしたが、驚く程変わっていませんでした。畑や山・湖などの自然環境、建物のつくり、道路沿いの景色など、10年以上を経たとは思えませんでした。しかし、しばらく生活や活動をしてみると、電気や水道もない地域のお母さんでも高い頻度で携帯電話を持っていたり、首都では渋滞があり車の増加には目を見張るものがあったりと、いくつか変化が見られました。発展とは、援助とは、何だろうと考えさせられる事象でした。大きな変化がないのは、現地の人たちがそれを求めていないからだろうか?資金・資源不足の問題か?ガソリンが購入できないのに車を持ったり、充電ができないのに携帯を持ったりするのはなぜだろう?新しいもの好きの国民性か?先進国の市場拡大戦略か?などなど。答えはありませんが、考えるいいきっかけになったと思います。

今後は、国際協力に公衆衛生の立場から参加していきたいと思っております。今回のマラウイでの活動は、私の将来にとっても大変有意義で貴重な経験となりました。このような機会と経験を与えてくださったISAPHの職員の方々に、深く御礼申し上げます。また、現地語を解さない私の相手を一生懸命にしてくれた、マラウイのお母さんや子どもたち、現地職員の方々にも感謝を捧げたいと思います。ありがとうございました。

青年海外協力隊26年度9次隊  岡部 麻里

体重計測をする現地ボランティア

劇や歌による健康教育

お母さんたちの勉強会終了後、集まってきた近所の子どもたち