東京医科歯科大学スタディツアー

2014年8月31日~9月2日に、東京医科歯科大学のスタディツアーの受け入れを致しました。参加者の方からいただいた報告を以下に掲載します。

ISAPH 事務局

ISAPHスタディーツアー感想文

私は以前から海外の医療について学びたいと思い、ISAPHのスタディーツアーに参加させていただきました。県病院、郡病院の見学、保健活動の参加など、たくさんのことを経験させていただくことが出来ました。

私が最も印象に残っているのは、村での保健活動です。その村は、郡病院から少し離れたところにある、キリスト教の小さな村で、決して豊かとはいえない環境の村でした。私は当初村に入った時に、人々はつらい生活を強いられているのではないかと感じていました。しかし、人々の顔を見てみると、たくさんの笑顔であふれていました。私はその時に自分の視野の狭さに気づかされました。豊かさと幸福は必ずしも結びつくものではない。今の日本には失われてしまった何かがこの国には残っているのだと感じました。

ISAPHの活動は素晴らしいものでした。妊婦健診、子どもの身体測定、健康教育などあらゆるものを見せていただきましたが、限りある資源、人材を上手く使い地域医療の推進を目指し、日本人とラオス人が力を合わせて活動している光景は、とても感動的でした。村の人々は、私たち学生にも親切に接してくださいました。何人もの人が「日本人は本当に親切な人ばかりね」「ISAPHの人には感謝しています」「また、いつでも来てください」と言ってくださいました。人々がこのように言ってくださるのは、ISAPHの活動が人々に受け入れられているということであり、私も嬉しくなりました。この活動が他の村に広がるためには、財源、人材など様々な問題がありますが、ぜひ、ISAPHの実績を多くの人が実感し、国が主体的に動き、活動が広がってもらいたいと感じました。

私はスタディーツアーに参加するまでは、医療の観点でしか物事を考えることが出来ませんでしたが、1つの課題には、あらゆる分野の問題が絡んでおり、解決の糸口を探るのはとても難しいものだと感じました。短い期間でありましたが、多くのことを学び、自分自身を成長させることが出来ました。本当にありがとうございました。

東京医科歯科大学医学部保健衛生学科3年 志賀 咲月

ISAPHスタディーツアーで学んだこと

ラオスへの訪問は今回が初めての経験で、ラオスの医療情勢を勉強したく、ISPAHのスタディーツアーに参加させていただきました。なかでも特に印象に残っているのがセバンファイ郡の村における母子保健活動です。ラオスでは乳幼児死亡率が高いこと、村ではお手洗いといった設備が十分整ってはいないことをお聞きしていたため、ISAPHの方々がどのようにしてこうした課題に取り組んでいるのか関心がありました。

実際の見学では、子どもたちが木製の器具で身長を測られたり、かごを使って体重を計測する姿、手洗いの仕方を実践している様子がうかがえました。また、見学させていただいた村では、妊婦健診は月に1度ISAPHの方々が無料で行っていて、妊婦さんの参加率は100パーセントだということをお聞きし、この母子保健活動がいかに重要かを知りました。さらに、食物タブーなどによってビタミンB1欠乏症で亡くなる子どもが多いことから健診の際、妊婦さんに栄養剤を配布されていましたが、村ではこうした錠剤は‘つめたいくすり’と称され、受け入れが難しいというお話もお聞きし、伝統や習慣によって阻まれる医療の難しさも実感させられました。

今回の見学で日本にいては知り得ないようなお話や経験をたくさんさせていただき、今後、視野の広い医療人となれるよう、より一層勉学に励まなければならないと思いました。このような機会を設けてくださった方々に、深くお礼申し上げます。

東京医科歯科大学医学部保健衛生学科3年 中村 文

スタディーツアーを終えて

今回のスタディーツアーでは、病院の見学と村での保健活動に参加させていただきました。最も印象に残っているのは村での保健活動です。セバンファイ郡に来るまでにビエンチャンにも滞在していましたが、村の生活環境や衛生環境がビエンチャンの環境ととても差があり、まるで違う国に来たようでした。特にトイレは人口800人に対して10基しかないなど、衛生面に問題が多いようでした。保健活動の内容は乳幼児の身体測定、妊婦健診、手洗い指導がありました。妊婦健診は看護師が行っており、設備の整っていない環境下でもほぼ正確に診断をしているそうで、技術の高さに驚きました。また、貧しい中で生活しているにもかかわらず、村の人はみんな笑顔で幸せそうに暮らしていて、裕福であることが幸福であるわけではないのだなと感じました。ただ、地方の医療には問題が多くあるようでした。設備が揃っていないのもありますが、医療保険がないため所得に対して検査費が高額だったり、病院に行くまでの手段がなかったりと日本ではなかなか考えもしないようなところに問題があり驚きました。

今回のスタディーツアーに参加してラオスの医療を知り、いかに問題があるか、また自分たちがいかに恵まれているのかを学ぶことが出来ました。ありがとうございました。

東京医科歯科大学医学部保健衛生学科3年 石井 修平

ラオススタディーツアーを終えて

ラオスで郡病院や県病院を見学させていただいたり、村での母子保健活動に参加させていただけたりしたことはとても刺激的で驚きが多く、とても貴重な体験をすることができました。村へ医療機関が訪問できるのは1か月に1回ほどで病院はとても遠く、下水道が通っていなくて井戸を使い、村にトイレが10個しかないという環境の中で、保健活動をすることや指導をすることは難しいと思います。しかし村の方々の参加率はほぼ100%であったり指導をしている内容を真剣に聞いていたりしている様子を見たら、かなり努力されて活動してきた証なのだなと思いました。

また看護学校にいき授業を見学させていただいたときに、ちょうど私が日本で習ったばかりのところを授業でやっていて私も授業に参加したくなりました。当然のことですが、世界中に看護師がいて、看護学生がいて、私もその中の一人であってそのことがとてもうれしく感じました。自分も頑張ろうっていう気持ちになりました。

世界の医療の現状や統計など、授業で習うことはありますがこのように実際現地に訪れて、見て関わって触れ合うことでしか知ることのできないこの感情を味わうことができて私はとても幸せです。さらに国際関係への興味が湧いてきました。このような体験はすべて一生忘れられない宝物です。素晴らしい機会を作っていただき本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。

東京医科歯科大学医学部保健衛生学科3年 伊藤 陽

ラオスの保健活動

この度は、私たちのために時間を割いてくださりありがとうございます。おかげでこの国の何に問題が置かれ活動しているかが理解でき、そのために何をしているのか、またその課題も理解することができ、また感じることが出来ました。

ISAPHの方々の活動は、ローカルになじむために様々な文化を理解しておられ、他から来た強制的な強さもなく、どう文化に合わせた保健指導を行うかというもので、これからの保健師としての姿勢を学ぶことが出来ました。期間内に結果を出すことはとても難しく、決まった額の資金の中で結果を維持し改善していくのも現状では難しく、社会の情勢を学んでいく必要があります。国を挙げてどう医療の保障をあげていくかがラオスの課題であると感じました。また、ラオスに少し滞在しただけではありますが、衛生への関心の低さに、まず国民の意識改革を進めるのが先決ではないのかと感じました。また、技術を教えても患者の絶対数が少ない中どうやって技術を習得し向上させるのかとういことも少し疑問に思いました。

開発途上国の保健活動は先進国からすれば過去の自国のように遅れているので、どんな産業で国内の総生産をあげ人々の生活水準をあげていくのか、医療領域を超えた関わりも必要であり、とても大変な責務だと感じました。

東京医科歯科大学医学部保健衛生学科3年 佐田 真莉子

相手の側に立つこと

9月のはじめ、ISAPHの方々にご協力をいただいてカムアン県の医療施設とドンマークバー村での母子保健活動を見学させていただきました。それまでは妊産婦死亡率が高いと聞いても医療設備が足りないだけではと安直に考えてしまっていましたが、今回母子保健活動を見学させていただき、お話を伺って医療設備以上に地域の人々と西洋医学では考え方や重要視しているものが大きく異なることを実感しました。例えば伺ったお話の中には「村の人は産後間もない母親が食べても良いものを米・塩・カエルなど一部のものに限っていて、それ以外は口にしてはならない食物タブーがある」というものもありました。「ただでさえ産後の栄養を必要とする時期に偏った食事をするなんて」と言ってしまうことは簡単ですが、ISAPHの方々はその土地で守られてきた習慣を否定するのではなく食べても良いとされるものの中でより栄養バランスがとれる方法を探し、指導していました。ただ西洋医学がより良いものだと押しつけるのではなく、村の人々にとってより良い状況を検討する姿を見て、村の人の役に立つためにはただ医療従事者であるだけでは足りないのだと実感しました。

このような貴重な機会をいただけたことに感謝しています。プロジェクトも終わりに近づいてお忙しい中お時間をいただき、本当にありがとうございました。

東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科修士1年 小柳 明日香

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