ISAPHラオスプロジェクトの健康教育
10月18日から30日までラオスISAPHのJICA草の根技術協力事業「生き生き健康村づくりプロジェクト」の中間評価のため、ラオスに派遣されました。今回の中間評価には、カムアン県庁、県保健局及びセバンファイ郡保健局からの地元の関係者に加え、ラオス保健省、外務省関係者、そして日本側からもJICAラオス事務所並びにJICA九州国際センター草の根技術協力担当の方の参加があり、大掛かりなイベントとなりました。
中間評価では、これまでの活動実績と健康教育活動用に作成した教材各種、そして当プロジェクトの主活動である栄養、母乳栄養、衛生(手洗い、沸かし水の飲料)教育活動の成果を確認するための住民理解度調査結果を報告しました。お陰さまで、理解度調査の結果では80%の住民がそれらの基本的な事項を理解しており、これまでの教育活動の成果が表れていることが確認できました。
当プロジェクトにおける健康教育の方針は、従来の画一的で一方通行の教育ではなく、教育レベルの低い住民でも理解できるよう「楽しく、分かり易く、興味を持てる」というものです。そのために、昨年絵人形をパネルに貼って楽しませるパネルシアターを導入しました。今回の評価では、ISAPHの健康教育活動を知ってもらうため、郡保健局担当者とISAPHによる健康教育活動の視察を組み込みました。私も1年ぶりにISAPHの教育活動を観たのですが、そのレベルの向上に大変驚きました。内容は、栄養教育ではパネルシアターを使用した食材の3大栄養素分け競争、手洗い教育では住民によるロールプレイを取り入れたものでした。住民からの参加者を募っての食材並べの競争では、出場者以外の住民もグループ分けし、応援組みとして参加させ、ゲームを盛り上げながら要所に栄養教育を入れていました。また、手洗いのロールプレイは、食事の前やトイレの後などの手洗いを住民の演技で笑いを誘いながら実習も含めた教育でした。とにかく楽しい健康教育で、住民参加型の教育活動としては非常に高いレベルに成長したと思います。視察した保健省、外務省やJICAの参加者の皆さんからもこのように住民が参加し楽しみながら教育が行われることは今までなかったと高い評価を頂きました(絶賛を博しました。)
私達の活動方法やスタイルには決まった形はありません。だからこそ、創意工夫が重要なカギとなります。今後は住民の理解から更に一歩進んだ行動変容が目標となりますが、このように創意工夫を凝らした健康教育で目標を達成に努めてもらいたいと思います。
健康教育の様子
聖マリア病院東京事務所
ISAPH事務局担当 磯 東一郎