H19年度聖マリア病院群初期臨床研修プログラム「国際保健コース」研修

2008年2月11~19日、聖マリア病院臨床研修プログラム「国際保健コース」のフィールド研修がISPAHラオスにて行われました。研修グループは4名で、研修医はうち3名。国際協力部の研修指導者の下、それぞれの課題に沿って、研修は進められました。以下、研修医の1人である稲熊容子先生の報告を聖マリア国際協力ニュース第91号より抜粋し、ご紹介いたします。

ラオスでの研修を終えて

ラオスはタイの東どなりに位置する内陸国で人口565万人、面積23万6800、公用語はラオ語、宗教は90%が仏教、約49民族を有する多民族国家です。ラオス自体は世界の中でも最貧国に分類されますが、住民の生活はというと、一概に貧しいとばかりは言えないな、というのが今回のフィールド研修で得た私の率直な感想です。国民の生活ぶりには地域較差があり、首都であるビエンチャンと今回調査をしたカムアン県では物質的な豊かさが大きく異なっていました。また、同じカムアン県内の村でも土地の肥沃さや水源の得やすさ、他の村との交流の有無などにより、食物の充足度、生活の豊かさが異なり、それが人々の体格や衛生状態に反映されていました。

しかしそんな中、ある程度衣食住が満たされ、健康問題も抱えていない村では、たとえ便利な生活ではなくてもおしゃべりや笑顔にあふれていて日々の生活を楽しく過ごしていることがとても印象的でした。のどかに時間を楽しんでいる、といった雰囲気です。物質的豊かさと人間としての幸福はパラレルではない、という事を実感させられました。今後村の生活が発展しても人と触れ合い楽しく過ごすという生活習慣を失わないでほしいと思いました。

村での聞き取り調査の様子

聖マリア病院 臨床教育本部 稲熊容子