昨2015年10月末、私は駐コロンビア日本国大使の任務を終え、39年に及ぶ外交官生活に終止符を打ちました。そして12月、ISAPH理事に就任いたしました。
これまで勤務したどの国でも、保健医療、特に母子保健の重要性を痛感してきました。乳幼児死亡率の低下、妊産婦の健康確保は、国連の追求するテーマであり、MDGs(ミレニアム開発目標)、SDGs(持続可能な開発目標)の一つにもなっています。
インドシナ三国のなかでも特に貧しいラオスでは、経済インフラ、教育、保健医療など多くの分野で国際協力が重要な役割を果たしています。ISAPHのプロジェクトを実施しているタケク地区では、活動を始めてから、地域の乳幼児死亡率、妊産婦の栄養状態が他の地域と比較して大きく改善しました。この成果は胸を張ってPRできる内容です。
一方、アフリカの最貧国であるマラウイにおいても、多くの乳幼児が栄養不良であり、マラウイ政府の最重要課題となっているところ、ISAPHは、JICA草の根技術協力事業よりの支援を受けて、その改善に取り組んでいます。
このような国際協力で常に大切なことは、長年、プロジェクトを継続することにより先方関係者の信頼を勝ち得ることです。ISAPHによるラオス及びマラウイでの協力を2005年に開始してから10年以上になります。細々とではありますが着実に「結果」を出してきています。
ここにISAPHの活動をご理解・ご支援いただいている読者の皆様方に御礼申し上げるとともに、これまでISAPHの事業を理事長としてご指導いただいた小早川隆敏東京女子医大名誉教授、また、ISAPHの活動を物心両面で支えていただいている井手義雄聖マリア病院理事長に敬意を表させていただきます。
月並みな表現ではありますが、「継続は力なり」という言葉をもってISAPH理事就任のご挨拶といたします。
ISAPH理事 渡部 和男