ラオス サイブートン郡病院支援がスタート

ISAPHの事業対象地であるサイブートン郡病院で、郡病院母子保健サービス向上支援活動をスタートしました。この活動はルクセンブルク国の政府開発援助であるラオ・ルクセンブルクとの援助協調により、シニア看護アドバイザーとして同県内の他郡病院で4年間にわたり病院の質向上支援を実施しているピクル看護師との連携により、5S (注1)を皮切りに実施していく活動です。

6月7・8日に予定されている他郡病院へのスタディーツアーに先駆けて、5月23日にピクル看護師と共にサイブートン郡病院を視察し、郡病院内の現状・問題を把握し、関係者と話し合いの機会を持ちました。話し合いで繰り返し伝えたことは、「これは、ISAPHやラオ・ルクセンブルクの活動ではなく、あなたたち自身の活動。もしあなたたちにやる気がないなら私たちはすぐに撤退するよ」ということです。これは、ピクル看護師の経験から導き出された、のんびりしているラオス人を動かすための戦略の一つです。

今回はサイブートン郡保健局長を筆頭に、関係者の病院改革にかける熱い思いを強く感じるとても有意義な視察となりましたが、彼らのこの熱い思いを持続させ、長期的な病院改革を続けていくことが大変重要です。また、病院内の特に母子保健関連サービスの改善はもとより、ゆくゆくは地域母子保健システムの改善も視野に入れて活動していく予定です。そのために、今後様々なアプローチを駆使しながら、彼らに寄り添い、共に考え、彼らが自分たちの手で改革を進めようとする姿勢を持ち続けていけるよう側方支援を続けていきたいと考えています。

(注1) 5Sとは、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」の5つの頭文字を取った言葉。日本で生まれた概念であり、もともとは製造業の職場環境の維持改善のために用いられてきた。この活動により、単に職場環境を美しく保つだけでなく、仕事に対する意識やモチベーションを高めたり、仕事の効率をアップしたり、コストを削減したりなど、様々な効果が期待できるため、近年では製造業以外の企業や組織でも5Sが導入されている。

ISAPH LAOS 木村 江里子

郡病院内の視察の様子

5Sのプレゼンテーションの様子