マラウイ派遣レポート

停電でも明るい!マラウィアンパワー

「マゲシ ヤジマ!(停電だね!)」。「スーズゴ(困ったね)」。

1月初旬、降り続いた豪雨によりマラウイ中部南部の各地で深刻な洪水被害が発生しました。幸いプロジェクト活動地域である北部は例年と変わらない程の降雨で大規模な被害はありませんでした。しかし、国内の電力のほとんどを賄う水力発電所が豪雨の影響で一部停止したため、毎日長時間にわたる停電が発生しアイサップが事務所を構える町では「マゲシ ヤジマ!」「スーズゴ」という会話が毎日のように繰り返されました。とはいっても、マラウイの人たちは普段からたびたび停電が起こるため笑いながらこの会話をしていつもと変わらず生活しています。電気がなければろうそくをつけ、火をおこして料理をします。火もおこせないのでご飯が作れず、パソコンや携帯の充電もできず焦っているのは外国人の私だけでした。マラウイの人の生活力と停電を笑って受け止める大らかな心に感心します。

マラウイプロジェクトは昨年12月に中間レビューを終え、プロジェクト地域での活動も活発化しています。パイロット村として選ばれた8村では、①ボランティア選出、母親グループの形成、②ボランティアを対象に栄養に関する研修の実施、③母親グループごとにボランティアによる栄養教育の実施、グループのメンバー同士で月1回の身体測定出席促進、④ボランティアを対象に啓発活動方法(歌・劇など)に関する研修の実施、⑤ボランティアが村人を対象に保健啓発活動(栄養や衛生に関する歌やダンスをおりまぜた劇など)を実施、⑥ボランティアや母親グループの活動やスキルの評価、⑦評価の結果を元に補足すべき知識やスキルの向上を図る追加研修を実施という一連の活動により、ボランティアを中心に村で住民同士が互いに学びあい、子どもの健やかな成長を見守り、支えあえる環境が出来上がっていくことを目指しています。

また、これらの活動が順調に進んでいる村にはもうひとつ新たな活動が加わります。近隣の村の住民を対象に母親グループの活動や保健啓発活動を発表する伝達講習会です。ボランティアや母親グループのメンバーたちは近隣の村に出向き、自分たちが村や母親グループ内で行っている健康教育の内容や栄養バランスのとれた離乳食の作り方などを紹介します。そこで興味を持ちプロジェクト活動を自分たちの村でもやりたいと手があがれば、そこの村でも活動開始を開始します。この活動によりパイロット村8村以外の村にも徐々に活動を広げていっています。

マラウイで村の人たちと共に活動していると彼らのエネルギーに圧倒されます。保健啓発活動として劇をする際もほんの数十分で内容や役を決め、セリフはほとんどアドリブでとてもユーモアのある楽しい劇を見せてくれます。歌もダンスも急に誰かが歌いだし、踊りだし、周りの人がそれに乗っかります。絶対日本人にはできないなと思います。停電でも明るい、歌や踊りが大好きなユーモアあふれる彼らが秘めたパワーを最大限に引き出す活動をこれからも地道に続けていくことが出来ればよいと思います。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

ISAPH Malawi 岡本 愛

ボランティアが伝達講習会にて歌・劇を披露

研修で栄養バランスの取れた離乳食のつくり方を勉強中