2月6日、ISAPH 東京事務所に珍しいお客さんの訪問がありました。お客さんというのは、品川区立荏原第六中学校2年生の女子2名、男子3名の皆さんです。中学校の校外学習としてグループに分かれ、興味のある団体を皆で話し合って選び、その団体を訪問し話を聞くという授業だそうです。訪問に際し、生徒さん自ら電話で訪問の依頼や目的の説明、準備についての確認などがあり、社会勉強も合わせたユニークな授業です。
当日来訪された5名の皆さんは礼儀正しく、事前学習もしっかりされていました。今回は、この機会に一般の中学生が持っている国際協力の印象について知りたいと思い皆さんにお願いしていたので、最初の自己紹介の際に伺いました。「海外の戦争や災害による弱者の救済」、「国同士が助け合うことの必要性」、「国際協力を通じて国同士の友好を深めることの重要性」など国際協力の意義について語ってくれましたが、一方的な協力ということではなく、お互いのための協力、共存共栄という視点からの重要性を感じてくれていることには思わず嬉しくなりました。さらにリーダーの方からは、「国際協力には苦労が多いと思うが、NPO団体として利益を求めず支援活動を行うことは純粋にすばらしいと思う」との言葉をいただき、あらためてNPOのあるべき姿を再確認する思いでした。
今回の話のテーマは日本の国際協力とISAPHの支援活動についてでしたが、その前の基礎知識として、開発途上国の人々が置かれている厳しい現状を知ってもらうことが重要であると考え、冒頭で開発途上国の飢餓や栄養問題を抱える人々や学校に行けない子どもたちの現状、戦争や紛争のために子どもが兵隊に駆り出されている状況、そして病気にかかっても医療サービスを受けられない人々が多くいることなどを説明し、国際協力がなぜ必要かを理解していただきました。その後で、日本の国際協力の支援内容とISAPHのマラウイ並びにラオスでの活動について紹介させていただき、最後は質疑応答です。皆さん事前に質問の準備をしており、「非営利団体の活動費はどのように集めているのか」、「どのようにして外国の情報を入手しているか」といった現実的な質問に加え、「NPOとして活動して良かったこと」、「どんな思いで国際協力を行っているか」など心情的な質問もあり、初心に帰り自分がこの道に入ったきっかけを思い起こさせてくれた彼らに感謝しました。真剣なまなざしで話を聞いている彼らの真摯な姿勢に私の話にも熱がこもってしまい、気がつくと1時間の予定が15分もオーバーしてしまいました。この話を聞いて国際協力に少しでも眼を向けてくれる若者が増えることを期待しつつ終了しました。
ISAPH事務局 磯 東一郎
熱心にスライドを見つめる生徒さんたち
健康教育教材の説明
終了後の記念撮影