2016/11/15

マラウイでのインターン活動報告

ISAPH Malawi 原田 有理子(インターン) 

歯科医院を訪問、現地Therapistと共に


バラカでの授業


ホームステイ先の家族と


こんにちは。ISAPHマラウイ事務所にて1ヶ月間インターンをしておりました九州大学歯学部6年の原田有理子です。今回のインターンシップには「トビタテ留学JAPAN」の一環として受け入れていただきました。インターンとして、農村での口腔保健調査や歯科医院訪問を行い、またセカンダリースクールで授業を行いました。それぞれについて大まかですが報告いたします。

1)農村での口腔保健調査

6つの村で合計60人に対して「1日の歯磨き回数、歯磨きの方法、歯が痛くなる原因」等の複数の項目について調査を行いました。歯ブラシではなくMuulaという木で磨く人がいること、歯磨き粉の代わりに「砂、重曹、メイズの粉、石鹸、灰」などで磨いていることが分かりました。歯が痛くなった原因として、近所の人との交友関係の悪化でその人の思いが通じて歯に影響が出たと言う人や、村のタブーを犯したためだ、と言う人にも会いました。

2)歯科医院訪問

各地の8つのクリニックを訪問しました。マラウイには歯科大学がなく、Dentistと呼ばれている方は全てDental Therapistであり、本当のDentistは外国人か海外で免許を取得したマラウイ人のみです。治療の大半は抜歯で、抜歯後の補綴治療も行われておりません。治療方法も日本とは違うことが多くて驚きの連続でした。例えば、治療器具をそのまま隣の患者さんと共有していたり、注水機能の故障により治療を何度も中断して患者さんが自分でうがいにいったり、という状況を見たりしました。またDental Therapistでない方が自宅で抜歯をしていると聞き訪問しました。歯科で使用する抜歯器具は一切使わず、ペンチで抜くとのことです。勿論、そのペンチに対する消毒は行っていないとのことでした。

3)セカンダリースクールでの授業

友人が働くバラカ・セカンダリースクールで口腔保健に関する授業を行いました。合計100人くらいの学生が参加してくれて2時間程度行いました。「ファンタの蓋を歯で開けることで歯が強くなる」、「ファンタは水だから虫歯の原因にはならない」等の誤解があることが分かりました。またペアワークでお互いの口の中を見てみよう、歯の数を数えてみよう、というように楽しく行えたことが一番良かったです。


インターンシップ前は、マラウイ人の口腔状態はいいものだと予測していました。そのような学術報告が存在しているのは事実であり、砂糖の摂取量もはるかに少ない為だと考えていました。しかし、村人の口腔状態は想像以上に好ましくありませんでした。確かに虫歯の本数は少ないのかもしれませんが、一度虫歯になると抜歯以外の治療方法が存在しないため、痛みを我慢して虫歯のままでいたり、抜歯後の補綴治療がないため歯が無い状態のまま生活することを余儀なくされています。歯科分野はエイズ、マラリア、結核のように命に直接関連しないという理由で重要性が認知されていないのが現状です。しかし、歯科は命の脅威になる分野ではないかもしれませんが、美味しく食べて、楽しく会話をするなどの生活の質に直結する分野です。今回見た現状、得た問題意識を忘れずに夢に向かって邁進していきたいと思います。最後になりますが、マラウイ事務局をはじめとするISAPHの皆様、現地でお世話になった皆様に大変感謝しております。