マラウイレポート マラウィアンのパワーの源、メイズ

マラウイでは雨季が終わり、乾季がやってきました。3月上旬まで毎日のように降っていた大雨がぴたりと止まり、気持ちの良い快晴が続いています。そして季節の移り変わりとともにマーケットで売られている食材が変わっていくのが目につきます。

雨季が終わると主食であるシマの材料となるメイズ(トウモロコシ)の収穫が始まります。収穫量は天候に左右されますが、今年は豊富な雨と十分な日光のおかげでまずまずの量が収穫できているようです。メイズの製粉所に集まる人や挽いた粉を天日干しする光景をあちこちで見かけます。「シマを食べないとパワーが出ない」「シマのない食事は食事じゃない」とマラウィアンが口をそろえて言うように、陽気なマラウィアンのパワーの源としてメイズは欠かすことのできないもので生活に密接に関わっているということがよくわかります。

さて、3月4日から8日にかけて「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」はエディンゲニヘルスセンターで栄養に関する研修を実施しました。2村のボランティアと母親グループ(5歳未満の子どもを持つ母親、約10人で1グループ)のリーダーも研修に参加しました。母乳や離乳食の与え方、衛生面での注意などを熱心に学び、終了後には「もっと学びたい」との声も聞こえてきました。また、研修の後半では家庭にある食材や薪を持ち寄って離乳食の調理実習を実施し、様々な離乳食の食べ比べをして意見交換を行いました。研修後、母親グループのリーダーが研修で学んだ離乳食をグループメンバーに伝えるクッキングデモンストレーションが新たな活動として行われるようになりました。

クッキングデモンストレーションでは母親グループのメンバーが集まって調理をします。研修時と同様に食材や薪を持ち寄り、メイズの粉を使ったお粥に大豆や卵、野菜を加えたものを作って子どもたちに食べさせます。おいしそうにお粥を食べている子どもたちの姿はとても微笑ましいものです。普段各家庭で作っているお粥はメイズの粉と水のみであったり、子どもだけのために別途食事を作ることが難しかったりする問題があります。クッキングデモンストレーションでは身近にある食材を使って栄養豊富な食事を子どもたちがとることができるということを目的にしています。

トレーニングの直後はクッキングデモンストレーションを行いたいという熱意がありましたが、最近は計画してもメンバーが集まらず、実施していない状況です。この4月から新たに加わった4名のフィールドスタッフが母親グループを訪問し、アドバイスをしながら村人たちのモチベーションの向上を図る活動をしています。研修やクッキングデモンストレーションを通して学んだことをそれぞれの生活にいかに取り入れていくかが今後の課題であり、母親グループのメンバーが互いに協力しながら無理なく継続していくことが期待されます。マラウィアンのパワーの源であるメイズに家庭にあるさまざまな食材を加えた栄養豊富なお粥を食べて、子どもたちが元気にすくすくと成長していけるよう願っています。

ISAPH Malawi 西谷 純

調理実習で作った料理を発表する母親グループのリーダー

メイズのお粥を食べる子ども

青空の下のメイズ畑