福山職員のラオスレポートVol.4 援助のかたち

VHV研修で訪れたカンペータイ地区。月1回の調査と年2回程度の定期活動以外には、特別なことが無ければISAPHが直接この地区に出入りすることは無い。悪路の為である。今回は研修ということもあって、私も訪れることになった。

国道13号線を右折すると、舗装されていない悪路が延々と続く。パリ・ダカールラリーってこんな感じか?と思いながら景色を見ていると、高床式の家々がチラホラ見えてくる。同じ村でも、いくつかの集落に分かれている。雨季には車は通れない。その代わりに船で移動することになるらしい。かなり貧しい地域であることは、一目瞭然だ。だからこそ、他の援助団体も入ってくる。

この地区で活動を行っている団体は、ISAPHを含めて3団体だ。ISAPH以外の2つは世界的にも有名な大きな団体だ。最近そのうちの1団体が、この地域に莫大な予算を約束した。しかし、それは全村が対象ではない。よって、対象になっていない村の人々はISAPHに頼ってくることになる。援助の仕方や目的が違っていることは彼らも重々承知のはずだが、焦る気持ちやISAPHに頼りたくなる気持ちも理解できる。

研修の最後の郡保健局長からの挨拶で、この援助の話を知った我々の気持ちも複雑だ。残念ながら我々には、大きな予算を使う同じような援助はできない。しかし、ISAPHがここで行ってきたのは地域に根差した継続性のある活動だ。将来この地区の人々が健康で、子供がすくすくと育つ環境が出来上がった時に、ISAPHの活動の意義を知ってもらうことができるのではないだろうか。今はそのために様々な知恵を絞って活動を行っている。

ISAPH LAOS 福山 修次

砂埃が舞い、視界がさえぎられる

いかにも弱そうな高床式の住居