マラウイ派遣レポート

乳幼児の成長をお手伝いするマラウイ・プロジェクトの準備

ISAPH・聖マリア病院では、JICA草の根技術協力事業からの支援を受け、マラウイ共和国ムジンバ県内で乳幼児の成長をお手伝いする「子供にやさしい地域保健プロジェクト」を始めます。このプロジェクト開始の準備として、マラウイ共和国でNGOとして活動するためのNGO登録とプロジェクト支援地域の追加調査を行っています。

NGOの登録は、マラウイ到着1週間後に大統領府(OPC)に申請し、承認書の発行を依頼しました。発行までには2~3週間必要とのことから、2週間が過ぎたころに電話を入れるが全く通じず、またメールを送っても返信がない状況でした。3週間目にOPCの担当者の事務室を訪ね、海外出張中だという事が判明しました。しかし、いつ戻るか誰も知らず、また申請の件を他の職員に聞いても誰一人知る人がいない状況でした。このような状況をNGO登録機関であるCONGOMAと活動を承認するNGO委員会に相談したところ「OPCはいつになるか分からないから、保健省から別途承認のレターを取っておいてくれ」と言われ、慌ててこの要請のレターを作成し保健省に提出しました。こちらは幸いプロジェクトのカウンターパートであるPreventive Health Services Departmentの協力が得られ、1週間でPrincipal Secretary(次官)からの署名入り文書を入手できました。これでOPCからの承認書なしにCONGOMAへの登録申請が可能かと思った矢先にCONGOMAから「OPCからの承認書を待ちたい」と言われ、再度OPCへ連絡するも今度は電話に出て貰えない状況が続いています。一カ月が経ち未だ承認書が発行されないことに苛立ちを覚えながらも、なかなかスムーズに対応ができないこちらの問題もあり、これらが今の私の最大のストレス要因となっています。

追加調査は、対象地域の26村の巡回や5歳未満児健診の状況の確認などを行っています。調査では、炎天下の中を4WDのピックアップで村の中を走り回っています。各村では、村長や村人に挨拶を行い、訪問の目的を伝え、村保健委員会や保健ボランティアの確認、住民登録簿など必要な情報の収集を行っています。

村での情報収集

保健センターでの5歳未満児の体重測定

集まってくれた村人の中で、乳児や1歳児くらいを連れてきている母親に、「母乳のみを与えていますか」「離乳食は何を与えましたか」などの声をかけています。そして「もし家に卵が1個あったならば誰が食べるの?」と質問もしています。この卵に関しては、多くの母親は自分の子供を指し、「子供」と答えるのですが、皆笑って答えるところが「私を満足させるための答え」であることを暗示しています。中には「夫」と答えた年配の女性もいました。これは、「夫」が食べてしまうということのようでした。この回答を実は期待し、質問をしていました。この女性の回答を受け、男性陣(男女が分かれて座る)に向い、「子供は成長に栄養が必要だからあげて!」と伝えるとこちらも皆笑って「分かった」と回答します。男性の協力を得るためにも、今からいろいろと男性陣ともコミュケーションを取りながら行っています。

マラウイでは現在、車の燃料不足でなかなか入手できない状況が続いています。首都の多くの給油所では、車の長い列をしばしば目にします。プロジェクトを展開する県は地方であることからか、軽油が4週間給油所に届けられていませんでした。

いろいろな問題に出くわしながらも、それらの対応を楽しんで活動を行っています。

聖マリア病院国際事業部 山崎 裕章