福山職員のラオスレポートVol.1 精霊信仰の儀式「バーシー」

タケクに着任して2日目に、ともに活動を行っている郡保健局に向かった。そこで、私と入れ替わりで帰国するISAPHラオス事務所前所長のために、バーシーという儀式が行われた。

もともとラオスは仏教が信仰されているが、精霊信仰も残っている。バーシーはその信仰の儀式の一つである。これは、結婚式・誕生会・歓送迎会・祝日などに行われるもので、正確には「バーシー・スー・クワン」という。人間の身体には32個の魂(精霊=クワン)が宿っていて、これが体内にあるときは幸せに過ごせるが、体外に出てしまうと不幸なことが起こると思われている。このクワンが身体の外に出ないように、そして出てしまったクワンを呼び戻すために行われるのがバーシーの儀式である。

私も前所長と一緒に主賓の席についた。先ずは、手にお供え物や飲み物を持たされ、その手首に白・橙色・緑などの毛糸が次から次へと巻かれていく。糸の長さは20cmくらいだろうか。ひとりひとりクワンが入ってきますように、そして悪い物が体内から出て行きますようにと、お祈りをして巻いていく。このとき、手に持っているものは口にしていいと聞いたので、遠慮なく頂く。あっという間に手は、毛糸でいっぱいになった。私も巻かれるだけでは申し訳ないので、関係者に巻いていった。ひと通り巻き終わると、ここからが宴会だ。この糸は、3日間は外してはいけないらしい。

ここで紹介したいのが、アヒルの血入り肉サラダ。バーシーの際に出された、伝統的なラオス料理のひとつである。味としては、トマトジュースに塩胡椒、七味を入れて、レバーをつけて食べる感じ。美味しそうでしょ?お腹に自信が無い方は、食べてはいけない。自己責任で食べましょう。

ラオスの精霊信仰のバーシーの儀式の紹介でした。

ISAPH LAOS 福山 修次

祈りを込め糸を巻いていく

糸だらけになった両手

衝撃的な色合いの一皿