2019/3/20

住民に保健サービスを届けるために

ISAPH マラウイ 池邉 佳織

チャマララ・ヘルスポスト完成式典

完成式典にて村長とご挨拶

鍵の受け渡し

ISAPHでは2017年より現地保健ワーカーの活動拠点(兼住居)の建設事業を行っています。2017年は2棟の建設を行い、2018年はテルモ生命科学芸術財団様から助成金を頂戴し、6棟の建設を支援しました。現在4棟が完成し、残り2棟も近々完成予定となっています。

保健ワーカーは病院が遠い住民に対し、住民の居住地域にて初期診断・治療・病院への紹介・衛生教育等の保健サービスを提供しています。例えば、保健ワーカーが地域に居住していれば、子どもが熱を出した場合でもすぐに近くに住む同ワーカーを訪ね、マラリアの検査を行い、その結果に応じて治療薬を投与することが可能です。しかし、活動拠点がその地域にないと、保健ワーカーは毎日5km~10kmの距離を通わないといけなくなり、不在の間、住民は保健サービスを受けることができません。

本事業ではまず、県保健局の公衆衛生部長が保健ワーカーを通し、活動拠点が必要な場所の情報を収集します。この事業に対する住民の期待はとても大きく、県保健局へは同建物建設の要望が多く寄せられ、建設途中のリストは現在36棟あります。場所を選定する際は視察を行い、コミュニティーがどれだけやる気を持って協働してもらえるかを調査します。現地住民のオーナーシップを高めるためにも、レンガを焼いて積み上げるなど、自分たちでできる範囲まで進めてもらい、屋根・床・壁といった建材の調達が難しい物を支援し、同建物を完成させています。

今回建設を行った地域の多くは電気・水道・通信・公共交通機関のインフラが整っていない場所です。山間地や国境近くであったり、雨季に河川の増水で車両による通行ができなくなったりするなど、保健サービスへのアクセスが極めて悪い地域もあります。車を所有している人はごく限られているため、住民は体調の悪い中、または体調の悪い子どもを連れて、何時間も歩いてようやく保健サービスを受けることができるのです。

完成式典では、村長をはじめとする多くの住民が出席し、踊りや歌・太鼓演奏などで私たちをもてなしてくださいました。子どもから大人まで、現地の方々の笑顔を見ながら、こういう地域にこそ、この事業が必要であると強く思いました。

最後に、本事業にご支援をいただきましたテルモ生命科学芸術財団様に心よりお礼を申し上げます。