2018/11/7

ラオス スタディツアー

ISAPH 事務局

2018年9月10日~15日に、ISAPHラオス事務所にて西本楓氏のスタディツアーの受け入れをいたしました。感想文を頂戴しましたので、ここにご紹介いたします。

                              

ISAPHフィールドワーク   神戸大学発達科学部3年 西本 楓

健康診断の様子

村のボランティアによる調理実習

村の市場で見つけた生きた昆虫

村人の家の前で採集した昆虫を使った料理

ISAPHラオス事務所でのフィールドワークでは主に保健指導や昆虫養殖の様子を見学させていただきました。保健指導は、ISAPHの支援している村があるサイブートン郡で行われていました。私が見学に行った時は、アウトリーチと呼ばれる健康診断の日でした。この健康診断には、小学校に入る前くらいの乳幼児とそのお母さん、妊婦さんが来ています。ISAPH現地スタッフの佐藤さんがそこに来た小さな男の子を指差して、あの子は小さいねぇと言って、低身長であることを教えてくれました。今まで、ネットや本で栄養不足による低身長について知っていましたが、実際にその症状の子どもに会ったことはありませんでした。(気づいていなかったのかもしれませんが)その子は低身長の子どものイメージよりも元気そうで、何も不自由なく過ごしていました。

健康診断を行なっているお寺の横では、村の住民のボランティアの人たちが大きなお鍋で離乳食を作っていました。佐藤さんによると、お母さんたちは、乳幼児が消化できないような食事を与えたり、子どもに合わない味付けの食事で乳児が食べなかったりしているらしく、それがこの村の乳幼児の栄養失調の原因になっているということでした。正しい離乳食をお母さんに教えるために、ボランティアの方々が離乳食を作り、健康診断に来た子どもとそのお母さんがそれを美味しそうに食べていました。私はこの光景を見てすごく有意義な活動であると思いました。でも、低身長が当たり前の現象だと思ってしまっていて危機感がない、また、食事を変えれば低身長が解決するという実感がないので、なかなか一筋縄にはいかないみたいでした。この活動がISAPHが健康診断に来る日しか行われていないこと、お母さんがこれを実行するようになるには時間がかかることを聞いて、それなら、もっとISAPHがいなくても継続的にできるような形にしたらいいのに!と思い、
 ・離乳食をレシピにする
 ・毎日誰かが作って売るようなシステムにする 
 ・若いお母さんにボランティアしてもらう
 ・1カ月間このボランティアの手で作った乳幼児に理想的な離乳食を与
  えて、結果の差を住民に見せる
 ・学校で離乳食の調理や栄養について教える
などの意見をISAPHのプロジェクトに専門家として参加している佐伯さんに伝えてみました。私が外から見ていると、これもしたらいいのに、あれもしたらいいのにと考えてしまいますが、ISAPHは、村で今一番困っている人を助けるような組織であり、NPOにはそれぞれ優先順位があって、そのNPOが一番助けたい人を助けるためにもっとも良い優先順位で活動をしているということを教えてもらいました。

サイブートン郡訪問のあとは、ISAPH事務所があるタケクで活動していました。主に、佐伯さんの元で昆虫食の養殖を見学させていただきました。サイブートン郡の見学の時にも見たように、ラオスの市場では昆虫が食用として売られています。そして、これらの昆虫は主に採集によって得られていて、量に限りがあるため、他の肉類よりも少し高価でもすぐ売り切れてしまうということでした。養殖をすれば、季節関係なく得られるようになるし、販売もでき、自分たちの栄養源にもなります。佐伯さんはより効率よく養殖する方法を考えるのではなく、村の人たちが村で育てられることを考えながら昆虫養殖のモデルを作っていました。

まだちゃんと村のことを知ることができたわけではないのですが、昆虫養殖を広められたらより多くの人々の栄養源、そして、収入源になるだろうと思います。そして、昆虫養殖を広めるためには、市場を作ることが必要です。ここに来て日本で市場を作ることが、現地の人々の栄養問題や経済的問題を解決することにつながる可能性を実感できました。この実感が今回のフィールドワークでの大きな収穫の一つです。

ラオスのISAPH事務所には専門性の持つ職員さんが集まっていました。保健を専門としている方、国際協力を専門としている方、昆虫食を専門としている方。職員の方々の持っている力は様々ですが、ゴールは同じでした。昆虫食というソリューションが合わないとわかれば違う人を呼ぶという、きっぱりとした関係もまた面白いなあと思いました。現地の人に何かを残せるような力を持っている人は強くて皆さんかっこいいです。

自分はビジネスで、より持続的に、社会課題を解決に携われる存在になりたいと思いました。また、この先の大学生活では1年間休学して社会に出てみます。そして、必要な能力を見つけたら大学院に進もうと考えています。

進路を考える大学3年生の夏に、ISAPHでのフィールドワークに参加できてとても良かったです。現地でお世話になったISAPHラオス事務所の皆様、そして、個人での参加であるにも関わらず受け入れてくださったISAPH東京事務所の皆様、本当にありがとうございました。